不登校になり、周りに同じ立場の人もおらず、誰に相談すれば良いかもわからず、途方に暮れている。そんなお子さんと保護者さんも多いと思います。
そんな方々に向けて、以下3つの分類で不登校の子どもと保護者の相談先を紹介します。
1. 不登校になっているお子さん自身が相談する場合
2. 不登校のお子さんの保護者さんがお子さんについて相談する場合
3. 不登校のお子さんの保護者さんがご自身のメンタルケアについて相談する場合
この記事を制作しているBranch(不登校の子どもと保護者のコミュニティ)のユーザーさんの体験談も一緒にご紹介しますので、ぜひご参考にしてください。
不登校は悪いことでも、変なことでもない
相談先をご紹介する前に、この記事を読んでくださっている方にお伝えしたいことがあります。
「不登校は悪いことでも、変なことでもありません」
Branchに集まる声からも、インターネット上の書き込みからも伺えるのが、不登校になって間もないお子さん(保護者さんも)はほとんどみんな、メンタルに大きなダメージを負っていることです。
それは、学校という”メインストリーム”から離れてしまい、「自分って変なんだ。不登校って悪いことなんだ」と思ってしまうことから来ているのでしょう。
また、保護者さんにも自分の仕事があって、お子さんをケアする余裕がないゆえに、悪気なく登校刺激をしてしまい、お子さんに「学校を休むことは悪いこと」という意識を植え付けてしまうことがあります。
関連記事:発達障害の小学生が「学校行きたくない」と言ったらどうする?登校刺激は避けて、焦らず対応を【小学校】
それまで受けてきた教育や過ごしてきた環境によっては、
・先生の言うことを聞くことが良いことである
・親の言うことを聞くことが良いことである
という規範意識が強く植え付けられているお子さんもおり、「不登校である自分は悪い子なんだ」と罪の意識にさいなまれています。
でも、不登校は悪いことでもなんでもないのです。
「たまたま、自分に合わない環境だった」
ただそれだけです。
現在では文部科学省も、不登校の子どもたちが「学校に復帰すること」のみを目標としないというメッセージを出しています。
・「学校に復帰する」という結果のみを目標にするのではなく、子どもたちの社会的自立を支援することが目標である。
・不登校の時期が休養や自分を見つめ直すなどの積極的な意味を持つことがある。
・教育支援センター、不登校特例校、フリースクール、ICTによる学習支援など、学校以外の場も含めた多様な教育機会を確保する必要がある。
※2016年に公布された「教育機会確保法」に基づき、文科省が出した「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」より要約
この通知をまだ知らない学校の先生や周囲の人からから「保護者は子どもを学校に行かせないといけないんだ」と言われることが未だにあるかと思いますが、文科省は「学校は休んでもいいだよ」という明確なメッセージを発しているのです。
関連記事:文科省の不登校支援の方針と、困ったときの相談・支援サービスを紹介
学校に行くことは義務ではありません。学校に行かないのは甘えではありません。お子さんも保護者さんも、自分の心身の安全や回復を第一に、これから紹介する相談窓口を活用していただければと思います。
1. 不登校のお子さん本人の相談先
この記事を読んでいるお子さんの多くは、すでに学校の先生や保護者さんに相談していると思いますが、LINEなどで相談できる子ども専門の窓口があることも知っておいてください。
・チャイルドライン
・ユキサキチャット
・わかものメンタルサポート協会
こういった子ども向けの相談窓口は「無料で」「絶対に他の人に言わない」で相談に乗ってくれます。
悩んでいたらまずは相談を。
また、この記事を書いているBranchは、日本最大級の不登校コミュニティです。「現在、不登校である」「過去に不登校を経験した」という子どもたちがたくさんいます。
以下のインタビュー記事に出てくるような、不登校経験のある先輩たちと話し合ったり相談したりできるサービスです。
「学校に行く」という枠から外れてしまっている感覚がずっとあった:不登校でも居場所はあるよ – Branchメンターインタビュー
「学校に行く」という、その枠からは外れてしまってる感覚はずっとありました。
「枠から外れてしまっている」ことに対して、この先どう付き合っていくかに苦しんでいました。
「学校に行く一般的な枠の人生」という、自分の中で持っていた大きな社会像に対して、「戻らないといけないのか」「このままでいいのか」と距離感を測りかねていました。
自分と同じ立場の子ども同士でつながりたい、不登校の先輩に相談したいというときは、ぜひBranchにも連絡してみてください。
2. 不登校のお子さんについての、保護者さんの相談先
次に、保護者さんが不登校のお子さんについて相談できる場所を紹介します。相談の方法や困りごと別に分類してまとめましたので、参考にしてみてください。
オフラインの相談先
- スクールカウンセラー/スクールソーシャルワーカーに学校経由で相談してみる
- 市区町村の子育て窓口で関連NPOなどの紹介をしてもらう
- 発達障害などの診断がある場合:医療/発達相談センター(注:医療相談は最初の面談までに数ヶ月かかる可能性があります)
- 市区町村の教育センターに相談する
オンラインの相談先
- 不登校新聞:親コミュ
- カタリバ:room k
- 不登校支援センターオンラインカウンセリング
- Branch (保護者チャンネルでは、不登校/発達に関して、非常に活発な意見交換が行われています)
目的や困りごと別の相談先まとめ
以下は、子どものカウンセリング、学校とのやり取りなど、目的や困りごと別の相談先やノウハウをまとめた過去記事です。こちらもぜひ参考にしてみてください。
・子どものカウンセリング場所を探したい
・在籍校とのやり取りについて相談したい
・「どうやって子どもの居場所を確保する?」不登校支援:学校や行政との交渉のコツ – Branch保護者会レポート
・発達障害・不登校の子の相談場所を探したい
子どもが不登校になった保護者のインタビュー記事まとめ
支援者の意見だけでなく、同じ保護者さんがどうしてきたかを知りたい方も多いかと思います。
Branchでは、不登校のお子さんがいる保護者さんへのインタビューをもとにした記事を多数掲載しています。
ぜひ参考にしてみてください。
- 【学年別】不登校のきっかけと対応、利用した支援やその後の変化 – 当事者・保護者インタビュー記事まとめ
- お子さんの困りごとを相談する場所はありますか?:不登校でも居場所はあるよ – アンケート集
- 学校とのやり取り:不安がある時に担任の先生に渡していたノート【実際のノート画像あり】
- 子どものトリセツ(取扱説明書)どうやって作る?その子だけのオリジナルな作成方法
- 学校復帰みんなどう考えてる?不登校児の子育て
- 令和時代の親子の価値観の違い:親と子のデジタル・ディバイド
【体験談】子どもの不登校と心身の不調、誰に相談した?(Branch保護者アンケートより)
また、ご参考までに「子どもの不登校と心身の不調、誰に相談した?」とBranchの保護者さんに質問した内容を下記に記載します。
子供の不調を目の前にして、親の私が不安定になってしまいました。学校の担任、校長、スクールカウンセラー、自治体の教育センターのカウンセラー、医療機関(どんぐり発達クリニック)それぞれに今も相談しています。私たち親子を良く知っている信頼関係にあるママ友達にもだいぶ話を聞いてもらいました。
まず、ゆっくり休ませました。そのときは、子供の中にある特性にどう対応したら良いかわからず、自治体の子供相談ダイヤルに電話したり、とにかく周りに相談をしました。その後、小学校に上がる前に行う就学相談でWISC検査をして凹凸が見つかり、同時進行で児童精神科とも繋がりました。
当時よく行っていた、区のあそび広場の保育士さんに相談しました。
友人に相談したり、ネットで調べた。こちらが気にしすぎると、子に伝わるので普通に生活していた。
児童精神科の主治医に相談しつつ、なるべく本人のストレスを軽減できる様な環境を整えようと夫婦で話し合いました。最初は手探りで夫婦間で意見が合わない事も多かったので時間はかかりましたが、Branchの保護者さんのお話もたくさん参考にさせて頂きました。
【体験談】相談できるママ友・パパ友はどうやって見つけた?(Branch保護者アンケートより)
次に「相談できるママ友・パパ友はどうやって見つけた?」という質問への回答を下記に記載します。
通級の保護者同士で連絡先を交換し、たまたま近所だった方と情報交換のためにサークルを作りました。
今はリアルで相談できるママ友はいないです。なのでBranchに出会えてよかったです!
繋がりたいと思う人には自分から声かけたり、メッセージを送ります。あとは、知り合いの人に紹介してもらったり、SNSでDM送ったりします。サークルや同じ放課後等デイサービスを利用してたり、学校でも出会いがあります。
学生時代の友人(息子と似たような特性のお子さんがいる)。
他のクラスに、同じように不登校気味になっている子がいるとクラスのママ友が教えてくれて繋いでくれました。
フリースクールで知り合って。
学校にいけない様子をみて声を掛けてもらったり、不登校の保護者向けの講演会で。
幼稚園や小学校のママさんと話していく中で、どちらかが子どもの悩みを軽〜く話したときに、「うちも…」と打ち明け返した。
トラブルの多い息子の相談は娘のママ友に。実際に本人と関わらない人の方が気楽なので。
職場に発達障害の息子さんのいる先輩ママさんがいて、一番の相談相手です。また、地域の子育て系イベント仲間にも相談しています。
3. 保護者さんご自身のメンタルケアについて
Branchコミュニティで話を聞いていると、お子さんと同様に保護者さんのメンタルケアも必要だと感じます。
お子さんが学校に行かないようになると、様々なことに悩みます。
・学校に行っていないお子さんに付きそうため、ご自身のキャリアを諦めて、家にいるようになり、自身の人生について悩む
・「学校に行く」というメインストリームにいないお子さんについて、それで良いのだろうかと悩む
・お子さんに対して献身的に接していても、お子さんは荒ぶっていて優しい言葉をかけられることなく、心身ともに疲れてしまう
これらが、保護者さんがメンタルしんどくなる主なパターンです。
・お子さんの相談で医療機関にかかっているのであれば、そこでそのまま相談してみる、または相談先を紹介してもらう
→こちらが最もポピュラーな方法かと思います。なぜ保護者の方が悩んでいるかもよくご存知ですので。
・専門のメンタルクリニック、心療内科を探す
・民間の相談窓口やオンラインカウンセリングを探す
など、辛くなったときはためらわず専門家に相談してください。
【体験談】保護者自身のメンタルケアはどうしていた?(Branch保護者アンケートより)
最後にBranchのアンケートで集まった、保護者自身のメンタルケアについての体験談をご紹介します。
筆者が見てきた限り、「学校に行かなくても良い」「うちだけじゃないんだ」と分かることで、保護者さんの気持ちが一気に楽になり、それによってお子さんが元気になることも多いです(特に小学生くらいのお子さんの場合)。
専門家に相談すると共に、同じ不登校の子どもを持つ保護者同士でつながっていただければ幸いです。
日本最大級の不登校の親のコミュニティ:Branch
理解ある人に自分の思いを話したり、悩みそうになったら体を動かしたり、ただただ自分がやっていて楽しいと感じたり嬉しいと感じることをします。時には思いっきり泣いたりもします(笑)
息子のことを褒めてくれる人とたくさん話すことです。友人、担当医、学校の先生(先生に関しては落ち込む事もあるので、良い報告ができる時だけお話していました)。
中でも一番ありがたかったのは、Branchのスタッフさん、メンターさんとの会話です。それまでは「学校へ行けない子」「〇〇が出来ない子」の母として、肩身が狭かったり謝ってばかりだったのですが、Branch roomやメンターさんに「こんなことが上手で凄いですね」と親も気付かなかったことをたくさん褒めていただき、「出来ない子」から「〇〇が得意な子」として意識が変わりました。そうすると自分でも前向きになれ、自信も持てるようになり、少しずつ心にゆとりが持てるようになったと思います。(これは息子も同じだと思います)
ゆとりが持ててからは家族に一人時間をもらい、一人でランチや映画・ショッピングへ行き、気分転換できるようになりました。私が元気になったら息子の心も安定してきたように思います。
当初よく「お母さんが元気でいて下さい」と言われて、そんなの無理と思っていましたが😅今になってその意味や重要性がよくわかります。落ち込むときはとことん落ち込んで、でも少しずつ親子で楽しい時間を増やせるといいですね✨
保護者のメンタルを守るのって、本当に大事だなと感じる日々です😌私は時系列的にこんな感じで取り組みました。
①学校との関わりの中で、子どもにはいいかもしれないけれど、私が辛くなってしまうことはやらない、やめる。どうしてもなことや、出来ることだけする。
②心療内科に通う(診察+カウンセリング+投薬)
③不登校保護者の気持ちを汲んでくれる心理士さんのカウンセリング
④「何もしない」をすることを意識する(疲れてると焦燥感で「何もせずのんびり」が出来なかったです。そんな自分に気づくだけでも効果ありな気がしてます。)
⑤ちょっとしたことで自分のわがままに耳を傾ける。(スタバのラテが飲みたい!だからちょっとひとりで行ってくる!みたいな。笑)
⑥良くなってきたら少しずつ自分の「本音」を人に伝える。
今から思うことですが、病院は完全に辛くなる前段階で気軽に行ってみるのがいいんじゃないかなと。私は辛くなるほどに、外出できなくなる傾向があったので。
「何もしない」って大事ですよね。私が病んでいた頃、家族に「一人で出かけてきたら?」とよく言われたのですが、元気が無いと出かけることもできないんですよね。そんなときは寝室に一人こもってドアを閉め音も遮断して、頭の中を空っぽにして充電してました。いつも何かに追われて疲弊していたので、その時間が私にとってとても大事な時間だったと思います。
私は自分のメンタルコンディションのために、同じ立場の方の話を伺いたくてBranchに登録させていただきました。
職場の同僚や、近所のママ友にも何人かお子さんが不登校の人がいて、話を聞いたり悩みを口にしたりすることが、1番気持ちが楽になると思ったからです。
また職場の先輩にコーチの資格を持っている方がいたので、個別にコーチングをお願いしたりもしました。その方のお子さんも不登校経験があり、ポジティブな声かけをしてくださるので話すと元気になれます。
あとは身体を動かすことでリフレッシュ出来るので、近所のスタジオで週一で通って運動をしています。
それでも落ち込むと不眠になるので、心療内科で睡眠薬ももらって睡眠は確保するようにしています(余談ですがそこの心療内科はカウンセリングはせず、薬だけ処方してくれる感じです。自分に合うカウンセリングを見つけるのも結構大変ですよね)。
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この記事を書いているBranchは、不登校・発達障害のお子さま向けの「学校外で友だちができる」Branchコミュニティを運営していて、以下のような特徴があります。
- 「学校行きたくない」という気持ちを抱え、家族以外の人との関わりが減ってしまった不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
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