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「どうやって子どもの居場所を確保する?」不登校支援:学校や行政との交渉のコツ – Branch保護者会レポート

発達障害や不登校のお子さんと保護者が集い、部活動や悩み相談ができるBranchオンラインコミュニティでは、さまざまなテーマで「保護者会」を開催しています。

この記事では、不登校支援に関する「学校や行政とのコミュニケーション」をテーマに扱った、2021年12月の保護者会の様子をお届けします。

今回は、お子さんの居場所づくりや支援のあり方をめぐって、学校や行政との交渉を続けてきた保護者のAさんからお話をうかがいました。

目次

お子さんの基本情報

プロフィール

  • Bくん
  • 小学校4年生
  • 読み書きの苦手さあり
  • 1年生の2学期から不登校

定期的なスケジュール

  • (月)AM:校長先生の個別対応
  • (月)PM:オンライン家庭教師
  • (水)AM:適応指導教室
  • Branch room月1回
  • We are baddies月1回

※母はフルタイムで仕事。月曜は在宅ワーク、それ以外の出勤日は子どもも職場に同行。
※仕事が平日休みの際に月1回ほどお出かけ。

自宅での過ごし方

  • ゲーム、YouTube、Amazon Prime Video
  • 教科学習はほとんどしていない
  • 虫や魚の飼育、観察
  • 実験、料理
  • プラモデル

など

不登校の子どもとBranch roomにて

学校へ行かなくなった経緯:「約束と違う!」と怒り、先生や大人を信じられなくなっていった

  • 小1の夏休み明け、初日のみ登校したが、翌日から「学校行きたくない」と言い始めた。
  • 学校へ相談すると、担任と校長から「だましだまし行かせていたら、みんな学校って楽しいから来るようになるよ」というようなアドバイスをもらった。
  • 2週間ほどは、「今日は保健室に行こうか」「早めに迎えに来るね」などで行かせていた。母もフルタイム勤務なので「ずっと家に居ていいよ」となかなか言えなかった。
  • そうしているうちにBくんもだましだまし行かされていることに気づいてきた。「今日は保健室」と決めても、担任の先生が「教室行ってみない?」と迎えに来てしまい、「約束と違う!」と怒り、先生や大人を信じられなくなっていった。
  • 自宅でもちょっとしたことで泣いたりと不安定になったため「このやり方は間違っている」と感じ、学校に行かなくていい方法を探していった。

学校へどのように支援を求めたか

  • まずは、家庭として「学校に行かない」という方針を伝えた。
  • Bくんが気持ちを許せる支援員の先生との関わりを保ち、WISCを受けて通級利用を開始。
  • 通級でも複数の子どもがいてプログラムがあるので、本人の居場所にはならずやめた。(Bくんは複数のお子さんがいることに苦手意識がある)
  • 支援員の先生と個別の時間をつくってもらった。
  • 「どうしたらいいでしょうか」という相談ベースだと、「学校に行く」選択肢しかもらえない。「うちはこうです」と伝えると、できる範囲の対策を考えてくれた。

行政とコミュニケーションをとるようになったきっかけ

  • 4年生に進級して、校長先生が代わり「今年度から支援員の個別対応はできない」と言われた。条例により「学校長が支援員に対して指示を出すことはできない」とのこと。
  • もともと「友達の友達」のような形で遠くつながっていた議員さんがいて、ディスレクシアの親の会を経由して「当事者の話を聞きたい」というお話しが来た。その方に相談すると、さらに居住区の議員さんを紹介してくれた。同世代で子育てをしている議員さんなので、普段抱いている社会への問題意識が共有しやすい。
  • 議員さんから教育員会長へ、個別支援を求める要望書を渡していただいた。
  • 校長先生が個別対応することになり、Bくんも了承。
  • そのほかに、要望書に書いてあったが実現されていないこと(オンライン授業・経済的支援など)もあるが、交渉にはエネルギーが必要で疲れるので、自分の元気がある時に行っている。

子どもの支援を求める交渉のポイント

  • 家庭の方針を伝えること。「学校には無理して行かなくていいと思っているが、安心できる大人とつながっておきたい」など。
  • 様々な支援や手立てを考える際、それに子ども本人が同意しているかということ。
  • 学校と家庭で、「子どものため」という共通の目的でポジティブに関わること。
  • 「子どもが教育を受ける権利」や、SDGsの教育目標「質の高い教育をみんなに」を引き合いに出して共通認識をもつ。
  • 交渉を通して感じたのは、ひとりでやっていると心折れそうになるということ。長期的にみると、似た境遇の方と集まって交渉することが必要。情報交換ができるだけでも、心強さが違ってくるなと思う。

そのほかの参考事例:校内フリースクール

発達障害やHSCなど、教室の環境が合わない子どもたちのために、校内フリースクールをつくろうという取り組みが各地で行われている。活動している保護者同士でつながって情報交換している。
その中で得た、学校や行政とのコミュニケーションのポイントがこちら。

①子どもたちのために保護者が、
何をどれだけやってきたか
どんな勉強会に参加したか
・そのうえで子どもの環境のために必要なこと・求めていること
を、書き出して伝える

②先生たちと敵対するのではなく、
教育を変えていく同士として一緒にやっていきたい
・保護者も学校に貢献できることがあればやっていく
という意思を添えて伝える。

子ども自身の意見を伝える
本人から直接伝えられたらベストだが、難しかったら手紙・動画などを活用する。

Branch room個別プログラム風景

質問コーナー

保護者会に参加した方々からの質問と、Aさんの回答をまとめます。

学校との連絡方法はどうしていますか?

  • 学校との連絡は基本的にメール。
  • 校長先生からもらった名刺に、メールアドレスが書いてあったのでメールしてみた。
  • 電話は苦痛なので「電話はしません」と伝えた。
  • 週1回のみの登校スケジュールなので、その予定が変わる時のみメールしている。
  • メールのメリットは、自分の考えをゆっくりと書いてまとめられること。気が楽。

お子さんは、どれくらい積極的に週1回の学校へ行っていますか?

  • 本人が「この先生ならいいよ」と選んだことなので、楽しみに行っている様子。
  • 他のお子さんになるべく会いたくないというのが本人の希望なので、時間を調整してもらっている。登校が落ち着いて授業中の9時~12時くらい。
  • 1対1の大人との関わりは、威圧的でなければ初めてでも大丈夫になってきた。子どもの集団に入るのは今でも難しいみたい。

個別対応の内容を、先生にリクエストしたことはありますか?

  • 本人が「これをやりたい」「これは嫌だ」と言うと思うので、保護者からは特にリクエストしていない。
  • 適応指導教室では、無理に文字を書かせようとする先生がいたため、「本人のモチベーションがあってしているならいいけれど強要はしないでください」と伝えた。

適応指導教室の先生はどうですか?

  • 校長先生あがりでご年配の頭が固そうな先生もいるが、若い先生も多い。
  • 適応指導教室に通う子どもたちって、立ち歩いたり、時間通りに来なかったり、思ったことを大人にしっかりと言い返したり、自由な子どもたち。
  • 生徒は小3~中3で、子ども3人に対して先生1人というくらい手厚い人数。そのなかで、先生たちも柔軟に対応せざるを得ないので、悪くはない環境なのかなと思っている。

議員さんとつながれた一番のメリットは?

  • 学校の外から交渉してくださる方がいるのは、新しい視点をもらえる。気持ちを代弁してもらえるのが心強い。
  • 交渉がうまくいかなかった際に、「この法律を基に交渉してみましょう」など裏付けながら次の対策を一緒に考えてくれる。
  • いち保護者の声はなかなか取り合ってもらえないことも多いが、議員さんが後押ししてくださることで、学校へいい意味で圧力をかけることができる。

参加者の声

保護者会に参加した方々からも、様々な情報提供があったのでご紹介します。

学校以外からの情報や助言を得る

  • 子どもが不登校になって悩んだ時、『不登校は天才の卵』という本を読み、著者のセミナーに行って気持ちが救われた。

窓口となる先生を1人みつける

  • 小学校1年生から関わってくれている支援級の主任の先生が、学年が変わっても担任や校長との架け橋になってくれている。
  • 先生によって様々なので、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー保健室の先生など話しやすい先生が見つかれば。
  • 教育センターで教育指導主事に相談し、定期的に学校へ連絡を入れてもらっている。

学校に「相談」ではなく「伝える」べきこと

  • 学校側は、家庭の教育方針を知りたがっている。先日担任と来期のサポートブックに盛り込む内容を相談していた時に、「それは是非知りたいです!」と言われた。
  • 小さな要望でも、諦めずに言ってみることが大事。学校の対応があまりにも変わらない際に、「教育委員会に言います」と伝えることで急激に対応が変わった。
  • 学校の先生は、専門家(特に医師)からの圧力に弱い印象。医師の意見書などをもらうのもひとつの方法かもしれない。

制度のしがらみを乗り越えるには?

  • 支援学級について「原則の指導期間は1年間とする」という東京都の通達があったが、特別支援教育の先生を指導する立場の方から、「あきらめず保護者からの働きかけで居場所を確保していきましょう」と励ましの言葉をもらった。
  • 登校実績がないと支援学級の籍を外れてしまう可能性もあるが、中学進学に向けて情緒固定級在籍という本人の居場所を確保するために必死で動いた。就学支援相談会に行き、書類の「保護者の願い」欄はかなり小さかったが別紙で添付。医師の診断書も提出した。
  • 1クラスに2~3人不登校の子どもがいて、学校側も大変な様子。通級の先生が週1回訪問してくれているが、来年度からは学校内でしか会うことができなくなるというお知らせがあった。後日、学校側の独自の判断で「見守り係」を設置し、不登校のお子さんを対象に月1回ほど訪問してくれることになった。

「こんな事例がある」と共有できるだけでも心強い

いかがでしたか?

様々な活動や交渉に奮闘されている保護者さんの声を聞いて、「すごい」「尊敬する」「参考になる」と感じた方もいるでしょうし、「私はここまでできない…」「時間やエネルギーがない」「一緒にやる仲間がいない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

また、それぞれの自治体や学校・先生によって大きく基準や対応が分かれるという場合もあるでしょう。
ただ、こうやっていろんな交渉方法や事例を出し合うことで、フィットする方法が見つかったり、「うちも交渉次第で支援を得られるかもしれない」と勇気をもらえたりすると思います。

これからも、定期的に保護者会を開催していきます。

(Branch運営スタッフ・小堀)

この記事を読んで、Branchオンラインコミュニティに興味を持たれた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

過去の保護者会記事紹介

ライター:小堀 紫苑

京都大学医学部人間健康科学科卒、資格:作業療法士 保育士
精神科病院、療育、訪問看護での勤務歴あり。経験を活かして、柔軟に創造的に、お子さんと関わっていきます。私自身とてもマイペースな子どもだったのですが、納得いくまで取り組むことを尊重し見守ってくれた大人の存在は、今でも心の支えです。 私もお子さんの可能性を信じ、個性に寄り添い、安心できるお話し相手になれたらと思います。そしてご家族のサポートも行っていきたいです。好きなことは、歌・ウクレレ・手芸・ヨガなど。ジブリや絵本の世界観、生き物や自然を観察することも大好きです!

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