
こんにちは。不登校や発達障害のお子さんと保護者さんのための居場所、Branchです。
不登校のお子さんは、学校生活で疲れたり傷ついた経験から、心も体も元気がなくなっていることがよくあります。
一方で、「ここは自分の居場所だ」と感じられる場所に出会うことで、安心がたまって、少しずつ元気を取り戻していく姿も多くみられます。
本記事では、不登校のお子さんの「居場所」にはどんな場所がある?どうやって探せばいい?などの疑問におこたえしていきます。
メンターや友だちと、安心して「好き」を楽しめる、学校外の居場所。
Branchは、信頼できる大人のメンターと、学校外の友だちと、安心してつながれるオンラインの居場所です。
不登校や発達障害の子どもたちが「好きなこと」を通じて自信がつき、社会とつながることを目指しています。
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「居場所」に必要なこと
不登校のお子さんが「居場所」と感じられる場所はひとりひとり違いますが、「楽しい」「心地よい」「安心できる」がキーワードになります。
好きなことをして過ごしたり、興味関心があることを学べたり、それを共有できる相手がいる「楽しさ」や、ほどよい距離感や落ち着く空間で過ごせる「心地よさ」、否定や指導、誘導がなく、ありのままの自分でいて大丈夫という「安心」を感じられる場所が、居場所になりやすいといえるでしょう。
「居場所」の種類
「家」「学校(教室以外)」「家や学校以外の第3の居場所」の三つを押さえると、子どもに合った居場所を見つけやすくなります。
それぞれの特徴を確認してみましょう。
①家
「基本の居場所」。家が安全基地になることで外に向けた元気がたまる
学校生活に疲れた子どもにとって、「家」が安心してエネルギーをためられる空間であることはとても大切です。
家で心と体を休め、十分に満たされると、自然と「外へ出たい」「ほかの場所に行ってみたい」という意欲が高まっていくことがあります。
家では、子どもの好きなことや趣味を尊重し、親子で一緒にゲームや動画、読書を楽しむのも良い時間になるでしょう。
お子さんの年齢や状態によっては、家での「ひとり時間」が心の回復につながることもあります。そんなときは、親も外に出て気分転換ができるといいですね。
- 親に「受け止めてもらえた」と感じた子どもは、少しずつ元気を取り戻していきます。子どもが安心して自分のペースで回復していくために、親自身がリラックスして過ごせるといいですね。

②学校の「教室以外」の場所
学校と完全に離れることなく、再登校や教室への復帰なども視野にいれやすい
「教室には入りづらいけど、学校には行きたい」と考えるお子さんもいます。
例えば、お友だちと遊びたい、給食を食べたいなど、子どもが学校に行くことを希望している場合は、校内に安心して過ごせる場所がないか学校側と相談してみるのもおすすめです。
学校と完全に離れることなく、「学校にも居場所がある」という実感を得られることは、親子の支えにもなるでしょう。一時的でも、校内に避難できるスペースがあると安心ですね。
一般的には、次のような場所が活用されています。
保健室
体調がすぐれないときだけでなく、精神的にも一息つきたいときに利用しやすい場所です。
保健室の先生が、子どもの様子を気にかけながら話を聞いてくれるなど、子どもにとっても安心できる場所になりやすいでしょう。
朝、保健室に登校して、落ち着いてから教室に向かう対応をしているケースもあります。
休み時間に仲のよいクラスメイトと交流ができたり、給食の時間だけ教室に戻るなど、子どもの希望に合わせて柔軟に対応しやすい点もメリットです。
- 保健室の利用を、病気やケガなど具合が悪くなった生徒に限定している学校もあります。
- 他の生徒の出入りが多く、落ち着いて過ごすことが難しい場合も。
■こちらの記事もおすすめ:保健室登校とは? 出席認定やメリット・デメリットについて体験談をまじえて解説
別室登校・校内フリースペース
空き教室などを活用して、遊んだり学びながら過ごせる場所です。
定員を設けている場合もあり、少人数の落ち着いた空間で個別学習をすすめたり、他の子どもと交流を持つことができます。
学年を超えた関係づくりの機会にもなるでしょう。
担当教員や支援員のほか、授業のない教員や教頭先生が交代で関わってくれることもあり、たくさんの目で子どもの様子を見守ることができるといった安心感があります。
また、保健室と同じように、クラスメイトと交流しやすい良さもあります。
- 教員や場所の確保が難しく、学校によっては利用できないことがあります。また、年度によって設置されないこともあり、継続利用がむずかしい場合もあります。
- 送り迎えや付き添いが必要になるなど、親の負担が大きいこともあります。教員が足らず、校内で親子のみで過ごす場合もあり、疎外感につながることも。
- 先生やクラスメイトとの関わりを保てる一方で、子どもが距離を置きたいと思っている場合は、子どもの気持ちが再優先されるように気をつけたいところです。また、校内で過ごしていると「教室に戻る」をゴールにされやすい点にも注意が必要です。
支援級
発達特性のあるお子さんが、特性に応じたサポートを受けられる少人数の学級です。
不登校になってから発達特性がわかるケースも少なくありません。
支援級では、少人数のクラスで、学習面やコミュニケーション面でサポートを受けられるため、通常級では過ごしにくかった子どもが落ち着いて楽しく過ごせるようになる場合があります。
正式に在籍するためには、自治体ごとに条件や手続きがあるものの、不登校の背景に発達特性がある場合などは、校長先生の判断により居場所として体験利用できることがあります。
- クラスメイトとの相性によっては、かえって落ち着いて過ごせない場合もあります。まずは親だけでも見学して、雰囲気や様子を確認してみるといいですね。
- すべての学校に設置されているわけではありません。住んでいる場所によっては転校が必要になることもあります。
■こちらの記事もおすすめ:【実例あり】子どもが支援級を勧められたらどうすればいい?学級選びのポイントや将来の進路について
通級
特別な支援が必要なお子さんが、通常級に在籍しながら、週に数時間、特別な指導を受けられる学級です。
発達特性に理解のある先生とマンツーマンだったり、他の子どもとペアで学んだりと、必要な支援によって過ごし方はさまざまです。
通常級の教室には行きづらくても、「通級には行ける」という子どももいます。
通級の先生と、所属校の担任とが連携し、教室でも安心して過ごせるように工夫したり、その子に合ったサポートを考えられるなど環境調整がすすむメリットもあります。
- 通級は、利用にあたって条件や手続きがあります。所属校に設置されておらず、他の学校の通級教室に通う場合もあります。早めに相談していくことも必要です。

③家・学校以外の第3の居場所
「家」で元気がたまった後の、次の居場所になりやすい
不登校の子どもたちが自分らしく過ごせる場所は増えています。家で元気がたまったけれど「学校はまだ行きにくい」、あるいは「学校には戻る気がない」といった場合にも、次のステップになります。
居場所がたくさんあることは、それだけ選択肢も増えます。子どもの興味や特性に合った場所とつながることで、新しい人間関係や学びの機会が広がるでしょう。
教育支援センター(適応指導教室)
自治体が運営する、公的な不登校支援の場です。無料で利用ができます。
学習のサポートやカウンセリングなどが受けられます。
学校復帰だけを目的とせず、将来の社会的な自立に向けた場として、SST(ソーシャルスキルトレーニング)や社会体験などが行われている教室もあります。
公的な支援であるため無料で利用ができ、学校との連携や出席認定を受けやすいなどのメリットもあります。最近では、学校外だけでなく、学校内の空き教室やバーチャル空間を活用するケースも出てきています。
- 学校復帰の足がかりになることもあれば、学校のような雰囲気になじみにくいこともあります。利用にあたっては、多くの場合、所属校を通じて申込手続きを行う必要があります。
フリースクール
自由な学びのスタイルを特長とする民間の教育施設です。
施設ごとに特色があり、スクールの理念や運営体制によって、学び方や過ごし方も違います。学ぶ内容も、教科学習メインのところもあれば、自然のなかでの活動が多いところ、STEAM教育に力をいれているところなどさまざまです。
オンラインフリースクールも増えており、選択肢は広がっています。
所属している子どもの人数や年齢層にバラつきがあるため、見学や体験を通じて子どもが過ごしやすい環境であるか確認したり、雰囲気を知ることが大切です。
- 法的には「学校外の学びの場」であるため、所属校の出席認定や成績評価を得るためには、学校と話し合う必要があります。
■こちらの記事もおすすめ:オンラインフリースクールってどんな場所?デメリットは?選ぶときに大切にしたいポイントとは。
不登校支援の居場所(「親の会」を含む)
不登校の子どもたちが過ごす居場所づくりを行っている場所です。
不登校の子どものために、居場所づくりをしている団体やグループが地域にないか探してみましょう。
ゲームなど好きなことをして自由に過ごせるフリースペースのほか、協働センターなどを借りて行うクッキング会やボードゲーム会、体育館での運動遊び、地域の畑での作業体験など、居場所によってさまざまな活動が行われています。
また、不登校の経験がある人や、子どもの発達や福祉を学んでいる学生がボランティアとして関わっている場合もあり、気持ちに寄り添ってもらえるような、安心できる場所のひとつです。
地域のフリースペース・地域のコミュニティ
市民団体やNPO法人などが運営する地域の交流スペースです。
お年寄りから小さな子どもまで、いろいろな年代の人が集まる場になっていることもあり、同年代の子との関わりに不安があるお子さんでも参加しやすいのが魅力です。
また、子どもの育ちを支える団体が、こども食堂や学習支援のかたちで運営していることもあり、地域全体で子育てを応援しているようなあたたかい雰囲気があります。
また、不登校のお子さんの中には、「不登校の子どもが通う場所には行きたくない」と感じることもあります。そういったときにも、気軽に参加しやすい場としておすすめです。
- 地域の居場所であるため、同じ学校の同級生や知り合いが参加していることもあります。
親の会
不登校の親同士が集まり、座談会や情報交換などが行われている場所です。
「親の会」は、不登校のお子さんをもつ保護者が集まり、情報を交換したり、子育ての悩みや不安を気軽に話し合える自助会のひとつです。
会によっては、子ども連れで参加できたり、子どもが安心して過ごせる居場所としても開かれていることがあります。
また、他の居場所に関する情報が得られることも多いので、近くで参加しやすい「親の会」がないか探してみるのもおすすめです。
- 親同士が情報交換する場では、子どもにとってセンシティブな情報が耳に入ることもあります。まずは親が足を運んで、場の雰囲気を知ることも大切です。
■こちらの記事もおすすめ:不登校の「親の会」とは?活動内容、メリット、経験談など紹介!
塾&習い事
学習の遅れが気になる場合や、興味のある分野のスキルを伸ばしたいときに選択肢になります。
子ども自身に「勉強をしたい」「〇〇を習ってみたい」という気持ちがあれば、塾や習い事を始めてみるのもいいですね。
子どもの意欲があれば続けて通う場所になりやすく、「居場所」になることがあります。
集団が苦手な場合は、少人数制や個別指導のところを探してみるのもおすすめです。
- 「学習の遅れが気になる」「〇〇のスキルを伸ばしたい」が親の不安や期待であると、子どもにとってはストレスやプレッシャーになってしまいます。子どもの気持ちを大切にしたいですね。
放課後等デイサービス
発達に特性があり、支援が必要な子どもが通える施設です。
発達特性に合わせて、療育や個別のサポートを受けながら過ごすため、学校が合わなかったお子さんでも安心して通いやすい場合があります。
また、事業所と自宅間の送迎サービスを行っている事業所も多く、親の負担が少なく通うことができます。
一般的には放課後の時間帯に利用できるところが多いですが、不登校支援のため日中から受け入れているところもあります。
事業所によって特色があり、遊びのなかで発達をサポートするところ、運動療育がメインのところ、将来の就労にむけてパソコンスキルの習得を目指すところなどさまざまです。
通っているメンバーによっても雰囲気が違うため、見学や体験をしてみるのがおすすめです。
- 放課後等デイサービスは福祉サービスのひとつで、利用には受給者証が必要になります。自治体の窓口に相談してみましょう。
オンラインの居場所
自宅にいながら参加できるインターネット上の居場所です。
住んでいる地域に不登校の子ども向けの居場所がなかなか見つからないときには、オンラインでつながれるコミュニティやスクールなども、ひとつの選択肢になります。
外に出ることに不安があるお子さんでも、安心できる家の中から参加できるのが大きな特徴です。
また、好きなことや共通の話題を通じて人とつながりやすいことや、人との距離感を自分のペースで決められることなど、オンラインならではのメリットもあります。
■こちらの記事もおすすめ:オンラインフリースクールってどんな場所?デメリットは?選ぶときに大切にしたいポイントとは。
オンラインの居場所といっても、過ごし方や雰囲気はさまざまです。
どんな場所なの?なにをして過ごしているの?と、気になることもあるのではないでしょうか。
不登校の子どものオンラインの居場所・Branchでは、子どもの「好き」を軸に、家からつながる安心と未来の第一歩になる、そんな場所を目指しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

「居場所」を探すときに気をつけたいこと
不登校の子どもの居場所探しは、子どもの気持ちを大事にしながら、親も心にゆとりをもって取り組むことが大切です。
「居場所探し」は焦らない
居場所探しに限らず、子どもの状況に合わないタイミングで支援を受けさせようとすると、せっかく回復してきた心のエネルギーを削いでしまう場合があります。
たとえば、まだ気持ちが外へ向いていない段階で「家」以外の居場所を提案すると、「家にいる私はダメなんだ」と今の自分を否定された気持ちになることもあり、逆効果になりがちです。
また、「早くどこかの支援先につなげないと」といった親の焦りは、声かけや態度に不機嫌やイライラとして表れがちで、子どものストレスになってしまうことがあります。
居場所探しは焦らなくても大丈夫です。まずは「家」を安心して過ごせる場所にすることを優先してみましょう。
■関連記事:【おはようラジオ:67】どんな子に居場所が必要か〜発達障害・不登校ラジオ〜 | Branch
子どもの気持ちを優先に
不登校の子どもの居場所は多様化しており、それぞれに魅力があります。
親が「ステキな場所だな」「ここに通ってくれたらいいな」と思うこともあるかもしれませんが、子どもにとっての「居場所」になるためには、本人が「行ってみたい」と思えることが大切です。
また、いちばん大事なのは、子ども自身が「居場所を必要としているか」です。
「友だちがほしい」「どこか通える場所がほしい」「〇〇がしたい」などの言葉が、子ども本人から出ていることなどがポイントです。
ただ、焦って提案したり、一度にたくさんの場所を提示すると気持ちが引っ込んでしまうこともあります。
「不登校の段階表」などを参考に、お子さんの状態を確認しながら寄り添っていけるといいですね。

さりげなく居場所のリーフレットを目のつくところに置いておく、「こういう場所があるみたいだよ」と情報提供にとどめる、など、親からの提案にならないように気をつけた、という声もあります。
親自身が元気なときに探す
情報収集や問い合わせ、見学など、居場所探しには時間と労力がかかります。
ようやく見つけた居場所に子どもが興味を示さなかったり、いざ体験してみても合わなかった場合は、落胆も大きいものです。
大切なのは、親自身が心と体にゆとりがあるタイミングで動くことです。
元気があるときなら、たとえ居場所につながらなくても、「ここは合わないことが分かった。それだけでも収穫だ」と前向きにとらえやすくなります。
親が「できなかったこと」ではなく、「できたこと」に目を向ける習慣を持つことが、居場所探しを気長に続けるコツかもしれませんね。
タイミングなどによって居場所にならないことも
最初は楽しそうに通っていたのに、だんだん行きたがらなくなったり、逆にあまり気が進まなかった場所に「また行ってみようかな」と言い出すこともあります。
これは、本人の成長や、進級やメンバーの入れ替わりなどの変化により、「居場所」に対する感じ方が変わってくることがあるからです。
特に「行けていた場所に、行けなくなる」というケースでは、親も、子どもの気持ちの揺れや変化を受け入れるのは大変です。
「次のステージへ進んだ」「この場所は卒業のタイミング」と前向きにとらえると、心が落ち着くかもしれません。
子どもは自分のペースで、きっとまた新しい一歩を見つけていきます。焦らずにいきましょう。


「居場所探し」でよくある困りごとと解決方法
地域によっては選択肢が限られたり、情報がなかなか手に入りにくいことがあります。
そこで、居場所探しにあたって直面しがちな悩みと、その解決策をまとめました。
①地域に居場所が少ない
お住まいの地域によっては、不登校の子どもが通える施設がそもそも少なかったり、通うためには親の送迎が必要で利用が難しいこともあります。そんなときは、オンラインの活用もおすすめです。
インターネット上のコミュニティは、住んでいる場所にしばられず参加できるところがメリットで、対面でのやりとりに不安があるお子さんでも気軽につながれる場合があります。
Branchは、不登校の子どもが過ごすオンラインの居場所のひとつで、地方に住んでいて居場所がなかなか見つけづらかった、という親子にも利用されています。
②情報が探しにくい
不登校に関する情報は、ネット検索や行政のサイト、学校からの案内などで手に入れることができます。
ただ、さまざまな情報が混在していたり、情報が古かったり、必要な情報になかなかたどりつけないこともあります。
そんなときは、不登校の「親の会」や地域のコミュニティに足を運んでみるのもひとつの手です。
実際に話を聞いたり、SNSでつながったりすることで、思いがけない選択肢が見つかることもあります。
③そもそも家から出られない
子どもが友だちや居場所をほしがっているけれど、人混みが苦手だったり、外に出ることに不安がある場合は、まず「家」が子どもの居場所であることを再確認することが大切です。
そのうえで、オンラインでつながれる場を見つけたり、訪問型の支援をしている団体を探してみるといいでしょう。
子どもが安心して受け入れやすい方法から始めることで、少しずつ外出へのハードルを下げることにもつながります。
④低学年の居場所探し、母子分離不安
小学校低学年で不登校になると、よく聞かれるのが「この年齢の子が通える居場所が少ない」という声です。
まだお留守番ができない場合や、「親と離れたくない」という気持ちが強い場合には、親が情報を集めたり相談に出かけることも難しくなります。
そんなときは、親子で参加できる場から試してみるのもおすすめです。
不登校支援の居場所やフリースクールでは、親がスタッフとして一緒に過ごすケースもあります。
また、訪問支援などスタッフが自宅に来るスタイルなら、親のそばで安心しながら少しずつ慣れていくことができます。
⑤目的にあった居場所が見つからない
「学習の遅れが気になるからサポートしてほしい」「ゲームが一緒にできる友達がほしい」など、子どもの希望によってはピッタリの施設が見当たらないこともあります。
そんなときは、子どもが興味を持っている習い事や塾、趣味の集まりなど、幅広く候補を探してみるのがおすすめです。
目標ができたり、好きなことでつながると、続けて通える場所になりやすいでしょう。
⑥費用面
費用の面で心配がある場合は、まずは無料や低額で利用できる教育支援センター(適応指導教室)などの公的な居場所を探してみましょう。
また、NPO法人やボランティアによって運営されている場であれば、費用をおさえながら、無理なく通える場所が見つかることもあります。
一般的にフリースクールは「高そう」というイメージがありますが、1回ごとの支払いやチケット制、毎月の利用回数に応じた料金設定をしているところもあります。
自治体によってはフリースクールの利用に補助金や助成金が出る制度があるため、教育相談窓口などに確認してみるといいですね。
■参考:小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査(平成27年文部科学省調査)
⑦送迎負担
せっかく居場所が見つかっても、送迎が必要だと、親の負担が大きくなってしまうことがあります。
とくに、仕事をしていたり兄弟姉妹がいる家庭では、スケジュールのやりくりが大きなストレスになることもあります。そんなときは、送迎を他の人にお願いできるような公的な支援やサービスがないか探してみましょう。
また、電車やバスなどの公共交通機関が使える場所なら、子どもがひとりでも移動できるように、少しずつ練習していくのもひとつの方法です。
もし、子ども本人が外出や移動を負担に感じているようであれば、家にいながら参加できるオンラインの居場所を利用するのもおすすめです。
■こちらの記事もおすすめ:不登校の子の送迎をめぐる保護者の負担とその対処法、利用できる社会資源
「居場所」ができた子どもに現れた変化
居場所ができた子どもには、どんな変化が見られるのでしょうか。Branchに寄せられた保護者の声をご紹介します。
①安心がたまって落ち着いた(癇癪が減った、外出を怖がらなくなった)



毎日の大暴れ、大騒ぎの癇癪は減りました。交流していると、楽しい、笑顔もみられるようになりました。



教室が難しい場合、保健室で寄り添ってもらえたことなどで安心感が出てきて徐々に教室に行ける時間が増えてきた。
②元気が出た(笑顔が増えた・会話が増えた・明るくなった)



フリースクールに通うようになって、朝、行ってきまーす!と笑顔で自転車に乗って出かけるようになりました。



明るくなりました。山に行ったり、釣りに行ったり、お出かけもできるようになりました。



次男は、サッカー教室に行く様になってから、毎日家の中でもボールを蹴り、楽しそうにしています。明らかに「お腹減った〜」が減り、あれは暇やストレスから来るものだったのだなと感じています。



元気に、安心して過ごしているように感じます。前向きになりました。自分以外の子どもたちと接することで人の気持ちを考えることが増えました。他人といると楽しいことも、嫌なこともありますが、そういうものだと身をもって体験していることが大切だと思います。自分が役にたったり必要とされることが嬉しいようです。
③自信がついた、新しいことにチャレンジするようになった



創作意欲が上がったことや、字を書くことは苦手で、タイピングもできませんでしたが、コミュニケーションをしたい気持ちが強くなったお陰で、タイピングが上達しています。
今は、アニメーション作りに夢中です。今日、アニメーションを作りながら、これも学習だよね?好きなことで学べるのはいいよね!なんて、言っていました。



行き渋ることなく登校するようになりました。一般級在籍の頃から加配でついてくださっていた支援員さんに「〇〇くんは居場所と友だちを探しているように見えました。支援級に転籍してそれが見つかったようです。」と言っていただいたのがとても印象的です。
④交流・興味の幅が広がった



友達の話を嬉しそうにするようになりました。自分だけの世界だったのが、お友達と遊ぶためにマイクラのワールドの準備をしよう、とか、友達と同じ話題でしゃべりたいから友達のおすすめの映画を見る、とか、前向きになり、世界が広がったと思います。同じ年頃の子供を怖がっていましたが、オフラインでお友達に会うことができ、恐怖感を少し克服しつつあるようです。外に出るきっかけにもなっています。
まとめ:「子どもの居場所がある」が親にもたらす影響
いかがでしたか。
最後に、子どもに居場所ができることで、親にどのような影響があるのかをみていきましょう。
- 子どもに「ここなら安心して過ごせる」という居場所ができると、親にとっても「安心材料」になり、焦りや不安がやわらぎ、子どもとじっくり向き合うゆとりが生まれます。
- お母さんから離れられなかったお子さんが、「居場所ができて、自然と離れる時間が増えた」という変化もよくみられます。親も、少しずつ自分の時間を楽しめるようになるでしょう。
- 居場所に集まる親同士のつながりができることで、親自身が「ひとりじゃない」「自分だけじゃない」と気持ちが軽くなることがあります。親も自己肯定感を取り戻し、笑顔で過ごせる時間が増えていくはずです。
不登校の子どもの「居場所探し」の大変さは、私自身も保護者のひとりとして、身をもって感じています。
子どもがなかなか外に出られないときは、まずは親だけでも顔を出して、少しずつ顔見知りを増やしたり、情報を集める時間だと思うようにしています。
ときには、自分の居場所を探すつもりで出かけることもあります。
この記事が少しでもヒントになれば嬉しいです。
「居場所探し」の長い旅を、一緒に乗り切りましょう!
「好き」で安心とつながりを育むサードプレイス
この記事を書いているBranchは、不登校・発達障害のお子さま向けのオンラインサービス「Branch home+」を運営しており、以下の特徴があります。
- 子どもが安心できるメンターと、1対1で好きなことを好きなだけ楽しむ「好きなことプログラム」
- オンラインツールをつかった、学校外で友だちができるコミュニティサービス「好きなことコミュニティ」
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もある。
Branch home+は無料体験ができるので、ご利用を迷われている方は一度お気軽にお申し込みください。
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