子どもが学校に行きたがらない。その理由の一つに、「人の目が怖い」というものがあります。これは、人間関係の悩みや、クラスメイトからの評価への恐怖など、さまざまな要素が絡み合って生じる問題です。
小学生の場合、自己意識が芽生え、他人の視線を意識し始める時期でもあります。そのため、他人の視線が怖いという感情は、成長の一環とも言えます。しかし、それが不登校につながると、子どもだけでなく保護者も深刻な悩みを抱えることになります。
では、保護者はどのように対応すれば良いのでしょうか。まず最初に理解してほしいのは、子どもが抱える「人の目が怖い」という感情は、子ども自身でもコントロールが難しいものであるということです。それを無理に押し込めようとすると、かえって子どもの心を閉ざしてしまう可能性があります。
この記事では、そんな「人の目が怖い」という感情を抱える不登校の小学生と、その保護者のための対応策を考えていきます。子どもの気持ちを理解し、適切なサポートを提供することで、一緒に問題を解決していきましょう。
お子さんが「人目が怖い」「人の視線が怖い」と言っていたことはありますか?
- 同年代の子供の視線を怖がっていました。母子登校していた小1の時にクラスメイトに「ずるい」と言われたのがきっかけです。学校が連想されるような場(療育や放デイ、習い事の体験レッスンなど)では同世代の子供と同室にいられない時期が続きました。
改善のきっかけは①話せる大人と一対一のコミュニケーションをとるリハビリで慣れていったこと、②ブランチでオンラインで通話できる友達ができ、オフでも何度か会っているうちに怖さが減ってきた、の二つです。 - 人の視線ではないけど、子供に、「人混みに行くと、目線がちょうど人の股間やお尻なんだけど、それって大丈夫?」と聞かれました。
「目線的に、仕方ないんじゃない?」と言いました。
人のどこ見たら良いか困ってはいるみたいですね。
年頃になったら、露出が多い女性を見たら困りそうですね。特に電車。 - 久しぶりに学校に行くときや、平日の外出時に小学生の集団にあった時などに見られるのが嫌なようでした。同年代以外の視線はあまり気にならないようです。
- 暴力をされたことで人目が気になり出した。
改善のきっかけは、同級生で理解してくれる支えてくれる友達がいたから。
また、学校、スクールカウンセラーの理解が大きかった。 - 新幹線の車内で人目を嫌がる様子(恥ずかしかったようで)。なので背面側からのドアから入って席に座るように工夫したり、先頭を親がたって歩きその後ろに子供という形で席につくようにしています。
- 不登校になる少し手前から言うようになりました。月に数回だけ短時間登校をするのですが、同じ支援級のお子さんが息子に気づいて近づこうとすると、「来ないで!こっち見ないで!」と叫んだりします。なので登校時はパーテーションが必須です。
他には、普通に道を歩いている時に近くで子どもの笑い声がするだけで、「今、自分のことを笑ってた」「バカにしていた」と気持ちが不安定になります。気のせいだよと言っても聞きません。今考えると、学校に入ってから始まったことではなく、保育園の頃から他の子達にからかわれたりバカにするような発言をされて(何度も目撃してきました)、たくさん傷ついてきたからなんだろうと思います。
Branchでの遊びなどを通して少しずつ人と関わることの不安を減らしていき、自信を取り戻していくことで改善されていくのでは…と思っています。 - 1人で外出した際に「人目が気になる」「指を指された」と時々言います。(怖い、というのとは少し違うかもしれませんが)一緒に出るときはそうでもないので、人と話しながら外にいる時は感じないのかもしれません。まだ改善はされておらず、少しの時間でもいいので外に出る機会を増やして怖くないと意識が変わればいいなと思っています。
どのように対応していけば良いか
まず、この「人の目が気になる」というものは、長引く可能性があります。
適切な対処をして、成人してからもずっと「人目が気になる」という状況にならないよう支援してあげたいですね。
実際に周りからいじられたり笑われたりした経験がトラウマのようになって人目が気になる場合と、実際にはそのようなことは言われていなくても自信が喪失していたり学校に行っていない経験が「自分は周りと違って変なんだ」と自己否定につながって人目が気になる場合があります。
また日本の学校の場合はあまり多国籍ではないため、見た目や話し方などの小さな差異を気にしがちな国民性であることも起因としてあります。
要は「周りはそんなに自分のこと気にしていないな」と思えればいいのですが、そういうことを子どもに言っても解決にはなりません。
実際はどのような対応方法があるのでしょうか?Branchの保護者さんの意見や、実際にお子さんを見てきた経験から記載します。
対処方法①:人目が気になる場所から距離を置く
毎日不安になる場所に行き続けると、人目が気になる気持ちが根強く残ってしまいます。
まずはそういった場所から離れられるようにしましょう。
対処方法②:オンラインの場で顔を隠して、人と交流するトレーニングをする
現代はオンラインでコミュニケーションできる場所がたくさんあります。
オンラインでのコミュニケーションの場合は「顔を隠す」「声をかえる、消す」「少人数での対話の場だけに限定する」など、コミュニケーション方法を自分でコントロールすることができます。
Branchのお子さんたちも、ほぼ顔は隠しつつアイコンも自動で画像を作ってくれるツールなどを使って作成しています。
人目が気になり家から出ないことにより、人と話す機会が減っている状態が長い期間続くと、人とコミュニケーションする場に出ることが困難になっていきます。
オンラインでも良いので、コミュニケーションを続ける方法を模索すると良いです。
対処方法③:失敗をけなす人や、周りの人と違うことを笑う人のいない環境を作る
「失敗が怖い」「人と違っていることが怖い」といった深層心理がある可能性があるので、失敗や人と違うことを否定しない環境を作ってあげることは大切です。
まずはご家庭内でそういった環境を作ると良いでしょうし、会う可能性のある親戚の方や保護者の方にも伝えておくと良いでしょう。
また、学校外の居場所作りをする際にも、そういったダイバーシティを認める環境なのかを見極めて参加すると良いです。
対処方法④:今どれくらい人が怖いか、人目が気になっているか、数値で示してみる
今どれくらい人が怖いか、人目が気になっているか、数値で示してみるよう伝えてみましょう。
それを保護者さんなど、他者と比べる場を作ると良いです。
誰でも緊張はあるし、社会が怖い時はあります。
例えば10がmaxだとして「今日家出た時が3だった」「学校に行く時は6だよ」など話してもらいましょう。
保護者さんからも「会社でプレゼンする時は5かな」「電車に乗ってる時も毎日2-3くらいはあるかな」など話してみましょう。
そうすると「自分が人目を気にしたり、緊張するのは普通のことなんだ」と自分のその時の気持ちを自分で認められるようになり、長期的には改善する可能性があります。
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