発達障害や不登校のお子さんを持つ保護者の方々は、どんな悩みを抱え、どんなふうにお子さんと関わっているのでしょうか。

発達障害・不登校の親子向けにオンラインコミュニティやメンターサービスを運営するBranchでは、サービスをご利用の保護者のみなさんにインタビューを行い、これまでのご経験を詳しくお聞きしています。

この記事では、現在小学4年生のお子さんの保護者の方にお話いただいた内容をご紹介します。


子どものプロフィール

子どもの年齢:10歳・小学4年生
不登校の期間・様子:小学2年の1学期から行きしぶり
発達障害の診断・特性:ASD(自閉スペクトラム症)、LD(限局性学習症)、ADHD(注意欠如・多動症)

「マインクラフト」が好きで、朝から晩まで集中して建造物や仕掛けを作っています。ただ、親だけでは機能面など追いつけない部分があり、Branchさんにつながりました。

もともと、電車が好きで、プラレールも好きです。
電車に関するYouTubeのチャンネルを作って、自分で頑張って編集して動画をアップしています。
ローマ字入力はまだできないので、音声入力でやっています。


苦手なことは、見通しが立たないこと。「パパ何時に帰ってくるの?」とよく聞いています。
慣れない場所やイベント事も苦手です。

現在学校は通っていますが、参加したくない行事などがある日には「学校行きたくない」と言っていますね。自分が活躍できる環境が少ないことや、見通しの立たない活動から不安になることが多く、基本的にはあまり好きな場所になっていないようです。

以前通っていたロボット教室で友達と話すのは好きなようなので、人や教室が嫌いなわけではないようです。


最近は料理にも興味があります

 

不登校になったきっかけ

現在、息子は小学4年生です。
小学2年生の1学期に、「学校行きたくない」となり、その後、最初の1ヶ月間は学校を休みました。
原因はなかなか話してくれなかったのですが、じっくり聞いてみると、友達が他の子を叩いているのを見て怖くなったり、勉強が難しくて自信をなくしてしまったりしたようです。


大きな困りごとがあるわけではないのですが、癇癪があったり、不安を感じてしまうことが多く、学校に行きたくない気持ちになって母親から離れられない、などの課題がありました。


不登校になってからの保護者の対応

行きしぶりに直面した時は「あ、会社に行けない!」「誰に預けたらいいんだろう」などの調整が大変でした。
妹もいたので、息子の癇癪で気持ちが揺れたりして、そういうときは大変でしたね。
気持ちがワーっとなって、冷静でいられないこともありました。

不登校関連のネットの情報もすごい調べましたね。
LINEで相談に乗ってくれる人とか、ためになりそうなメルマガとかにもたくさん登録しました。
でも途中で「何か違うかも?」と思い直してブロックしたりもしました。
自分でもどうしたらよいのか分からず、迷子になっていたと思います。


以前、発音が不明瞭だった事から市の支援センターに通っていた時に、その先生から「少し落ち着きのない所があるので、ADHDの可能性があるかもしれない。困ったことがあったら発達の検査をしてみてはどうか。」と言われていたこともあり、通級を使いたいことから、発達の検査をしました。

その結果、ASDと診断されました。
またセカンドオピニオンのお医者さんからは、LDもありそうと言われました。


そこから保健室登校をさせてもらったり、通級に通うことができたりと、教室以外の居場所ができてきたこともあり、徐々に学校に通えるようになっていきました。
ただ、不安があったり学習でうまくいかないことなどがあると「明日行きたくないな」と言います。

息子をどうサポートすればいいかなと悩んだ時に、発達障害のお子さんを持つお母さんから教えてもらった療育プログラムにたどり着きました。療育に通ったのは小学3年生の1年間です。

そこでは苦手な数学や国語を丁寧に教えてくれます。それが自信につながり学校でも頑張れたこともありました。
人とのコミュニケーションの取り方も教えてくれるので、とても良かったです。

ただ、なんとなく「できないことを他の子と同じようにできるようにする」よりも「興味や関心もたくさんあるし、母親の自分から見てもすごいなと思う長所があって、それをしているときはとても目が輝いて楽しそうにしているので、息子の長所を認めてくれて並走してくれるようなアプローチはないかな」とずっと思っていました。

実際、1年間療育に通って、行けば楽しそうにするけど、行く前は「あんまり行きたくないな」と言うんですよね。

ホームスクーリングや発達障害についてよくツイートしている方がBranchの利用者さんで、その方のTwitterからBranchを知り、「好きで自信を創り、好きで社会とつながる」というコンセプトを見て「こんなことをやってほしかった!」と思い、Branchさんを利用してみることにしました。

現在の過ごし方

今は、行きしぶる日もありますが、ぼちぼち学校に通いながら、Branchも月2回ほど利用しています。


プラレールの改造をしています


最初、Branchをオンラインで体験した時はドキドキしながら受けました。
今まで好きで通っていたロボット教室も教材や一緒にいるメンバーによって楽しめなかったり癇癪を起こしたこともあったので。

でも始まってみたら、大好きな「マインクラフト」から入って、担当の本城さんもすごく明るく盛り上げてくれたので、終わると「続けるー!やりたいー!次いつー?」と言っていました。
マイクラの中で建物をコピーする方法を教えてくれたのですが、新しい体験だったし、息子の中で世界が広がったようでした。
終わったあともすごい嬉しそうに、その建築コピーを何度もやってましたね。

ようやく楽しんで続けられる場所ができて、私もとても嬉しい気持ちになりました。


子どもの変化

息子は、今までマイクラで1人でずっとレールをひいたり、建築物を作ったりしていたのですが、「誰かと一緒にやる」が楽しくなったようでした。その後、家でも妹や親と一緒に同じ世界に入って一緒に遊ぶことが多くなりました。「〇〇(妹)は石炭をとってきて!ママは木を切って!」とリーダーをやってくれることが多いです。色んなアプローチがあるんだなぁと思いました。

最近、YouTubeで動画を作るが好きなのですが、自分で作った音楽をYouTubeの動画に載せたい、どうやったら音楽が作れるの?と言われました。田村さんに相談した所「本城さん音楽も作れますよ」と教えてもらい、そこから2回、「ガレージバンド」で音楽の作り方も教えてもらいました。

自分の今一番興味があることを教えてもらって、自分でも夢中になって音楽を作っている姿を見て、こういった学びが生きていく上でパワーの源になっていくんだなと思い、この時は本当に感動しました!

学校は楽しいこともあるけれど、ちょっとしんどいこともある。
でも家に帰ってからは思いっきり好きなことをやっていて、とても生き生きしています。

自分一人でやっていても飽きたりするけれど、メンターさんのように新しい知識や方法を教えてくれる人がいると、継続して楽しめるようです。


ちなみにアップしているYouTubeの内容はすごいコアでニッチです。

電車がすごく好きなので「吹っ切れた」という、電車が行ったり来たりする動画をひたすら作ってます。YouTubeで「吹っ切れた 電車」で調べるとたくさん似たような動画が出てくると思います。
今までYoutubeは見て楽しむもの、という感じだったのですが、実際に動画を作る側になると、「この人の動画はうまい」とか「この編集の仕方はどうやればできるんだろう」とつぶやいていて、もはや研究だなと思うこともあります。

Branchの部活動でも、鉄道部で自分のYouTubeチャンネルをみなさんに見てもらって、とっても嬉しそうでした。
はじめて部活動に参加した後は「本当に楽しかった!」と興奮気味でした。なかなか同じ趣味の友達がいないので、コアな話を話して理解して盛り上がってくれる友達がいるというのはグッとくるものがあったようです。


あとBranchのオンラインコミュニティで、私も保護者のみなさんとお話しできるのがとてもありがたいです。
不登校や行きしぶりがあると、どうしても「他の子は通えてるのになんでだろう」と思ってしまうこともあるのですが、Branchのコミュニティを見ていると「そうそう、うちも同じだ!」って思います。
近くに同じような状況の話せる人はいないので、オンライン上で話せるというのが心の支えになっています。
 

保護者の願い

息子は「(自転車に乗るのが好きなので)UberEATSの配達員をやろうかな」とか、「ブラック企業は嫌だ」とか、現実的なことを言っています。

私としては、日々息子のアンテナに引っかかった楽しそうなことを中心に興味を広げて、将来のことはさておき、人生を楽しんでくれるといいなと思っています。

 

 

 

ライター&インタビュアー:中里祐次

Branch代表。早稲田大学卒業後、㈱サイバーエージェント入社。子会社の役員など約7年勤めた後にサイバーエージェントから投資を受ける形で独立。自分の子どもがレゴが好きで、東大レゴ部の方に会いに行った時に目をキラキラさせていたのを見てこのサービスを思いつきました。好きなことは、漫画やアニメを見ること、音楽を聞くこと、サウナ、トレイルランニング、かなり多趣味です。Branchの子どもたちに鍛えられて子どもが好きな遊びはたいていできるようになりました。