匂いや音に敏感だったり、大人数で食事をするのが難しいお子さんにとって、学校の給食の時間は苦痛なことも少なくありません。

Branchオンライン保護者会でも、「子どもが学校で給食を食べられない。先生にどう理解してもらえばいいの?」というご相談があり、共感とともに、「我が家流」のコメントがたくさん届きました。

共通していたのは、「合理的配慮(※1)を求める」という声。

では、合理的配慮はどう求めたらよいのでしょうか。Branchオンライン保護者会に寄せられた回答を一部ご紹介しながら考えてみます。

(※1)文部科学省のHPが詳しいです。
3.障害のある子どもが十分に教育を受けられるための合理的配慮及びその基礎となる環境整備:文部科学省

別紙2 「合理的配慮」の例:文部科学省


給食を止めることはできないか?(Sさんからのご相談)


Sさん
”以前、息子が学校で給食を食べられないと相談させて頂きました。 「給食を食べられないのは赤信号だよ」とアドバイスを頂き、これ以上息子に負担がかからないように、学校に「給食を止めてほしい」とお願いをしました。 

すると、「息子さんだけ給食を食べないのは、他の子の教育上良くない」と。
教育センターの指導主事から、「おにぎりくらい持ち込ませてもらって食べないと、お腹も空くし低血糖にもなります」とアドバイスを受けました。

職員室で給食を食べられるかを指導主事から学校に連絡をしてもらいましたが、校長から「人員がさけないし、その時間は職員で情報共有しているから難しい」と断られました。

皆さんだったら、どのように交渉しますか?”

 

本人は何に困っているのか?を理解する

Aさん
” ウチも給食苦手です。 不登校になる前(小学校1年生の時)もほとんど食べてませんでした。 食べれない、食べたくない。 残しても怒られなかったとは思いますが、その時間は苦痛だったと思います。 

 給食費の支払いを止めようかとも考えましたが、「カレーライスは食べたいときがある」と言うので、払っています。”


Bさん
”知人のお子さんが、感覚過敏で給食が食べられず、体重の横ばいが続き、弁当持参の許可をもらい持参しているようです。アレルギー体質が原因で食べられるものが限定されて、お弁当持参の子もいるそうです。”

 

どうやったら食べられそうか?安心できる「環境」「人」を再考する

Aさん
“2年生になって不登校になった途端、学校から連絡が来て「お弁当OK」になりました(笑) でもたくさんの人と食事することも苦手なので、お弁当にしても不登校の解決にはなりませんでした。
今はたまに登校していますが(教室には行かず支援教室に登校)大体は給食が終わる時間帯に行きます。”

Bさん
相談室でスクールカウンセラーさんと一緒に食べている子もいました。あとは校長室で食べる子もいたようです。
教室以外なら食べられるのかな?交渉次第では、職員室だったり保健室だったり、スクールサポーターと食べたりはできるようです。
保護者が給食の時間だけ付き添って別室で食べるケースもあると思います。”

 

学校への提案は書面で。面談は、できれば家族二人以上で

Cさん
”私は、まずは書面で提案してみました。問題点(本人のしんどさ)と原因とお願い事項と障害の特性、手だての有無の違いを書いたり。最後に、「ご指導、ご支援の程、重ねてお願い申し上げます」と丁寧にお願いの言葉を添えました。

あと児童デイサービスの先生や主治医など、専門的な立場の意見も沿えて書きました。とってもしんどいですが、やって良かったです。

うちの子は2月に交渉して、、担任の先生に特性を理解してもらえました。前任の先生が転任し、環境が変わったことも幸いしたのかもしれません。”

Dさん
”学校との話し合いには夫と行きました。

校長先生には、学校と揉めたいわけではないこと(担任を責めたいわけではないこと)、子供のことを考えてくれての先生の対応であることには感謝を伝えたうえで、息子にはその対応では合わないこと(拒否反応が出ていること)を伝えました。

私は色々な感情が言葉にのってしまいそうだったので、夫に話してもらいました。 あと書面で返答をもらうと良いとも聞きました。 ”


学校内外の人を巻き込み、家庭と学校での「合理的配慮」の共通理解と合意を図る

Eさん
”Sさんが学校側に伝えたことは間違っていないと思います。私は「Sさん!カッコよすぎるだろ!!」と感じました。

素敵なお母さんです。息子さんも嬉しかっただろうと思います。学校側のお話は合理的配慮の観点からみても「そうなのか??」と、正直疑問に感じます。

障害は社会の側にあると思います。 合理的配慮は、社会的障壁によって生まれた、機会の不平等を正すためのものです。

合理的な配慮を、出来るのにしないことは、差別にあたると見なされることもあるはずなので、どうしても学校側と合意できない場合は、教育支援委員会?などの、もうひとつ上の機関に相談してもよいのではないかと思います。 ”

Fさん
”私が住んでいる地域は最終手段は医師の意見書などが強力だということを聞きました。 主治医が協力的ならこれもありかと思います。 何度か学校と会議をしていますが、 会議には主人にも同席してもらっています。

私は今までの経験で、会議では事前準備がどれくらい重要かということがわかったので、レポートのようにまとめた資料を会議出席者に配り、それをもとに会議しています。

例えば給食の問題だったら、 思いつく限りの選択肢をこちらが用意する事で、打開策がでる可能性があるかもしれません。

先生方は忙しく、とにかく人員の負担ができないので、 こっちの要望だけを主張することには、強い抵抗感があると感じました。

基本は子供の教育のためというお気持ちはあるので、 先生方に当事者意識をもって、学校全体の問題として意識をもってもらうよう、 地道な努力を続け、周りを巻き込んでいくことで、 少しずつ変化が現れることもあります。 

もし今どうにもならなくても、 スクールカウンセラー、養護教諭、担任、管理職が変わった時に、 またチャンスがくるかもしれません。”


給食を止める選択肢もある

その後Sさんは学校と話し合い、給食を止めることにしたそうです。

Sさん
”みなさんにご心配おかけしました、 息子の給食の件、止めることができました。 息子に伝えたら、心なしか表情が明るくなったような気がしました!食べられないのに配膳されるのも苦痛だったようです。 

学校は、給食は止めるけれど、食べたくなったら、その場でも担任に言ってくれれば用意するとのことでした。 他のお子さんに対しては、息子がいない時に食べられないことを説明すると。 

話し合いの前に本人に最終確認したところ、「給食だけでなく、学校で食べること自体ができない」とのことだったので、親としては心配なのですが、今は学校での食事は難しいと判断しました。来年度、担任やクラスが変わったりしたら、また気持ちの切り替えもできるかもしれないので、様子を見て、仕事を早退するなど検討していきたいと思います。 

学校との関わり方、外部の巻き込み方、勉強になることばかりでした。 ここに相談するか迷ったのですが、思いきって書いて、アドバイスだけでなく、心折れそうなところにパワーもたくさん頂いて、感謝の気持ちでいっぱいです。 本当にありがとうございました。”

月数回の登校や、長期に学校を休む場合、学校に「学校給食停止(再開)届出」を提出することで、給食を止めたり、食べた日数分の給食費を精算できますが、その対応は自治体や学校によってかなり違うようです。

お子さんがより楽しく、保護者も無理なく生活できる環境を整えるには、学校内外の人や機関との相談・対話を諦めないのが大切なのですね。

しかしその過程は、一筋縄では行かないこともあります。

Fさん
”保護者も仕事などで忙しく余裕がない場合は、 コミュニケーションのズレが埋められずに、諦めたり我慢することが多いように思います。 子供の気持ちに寄り添うと、結局母親が仕事を辞めざるを得なかったり(私もそうです)、 本当に精神的にも経済的にも厳しいものがありますね…”



誰かと気持ちを分かり合えると、一歩を踏み出せる

保護者の方々から寄せられたコメントには、

” なんだか自分のことのように熱くなってしまい申し訳ありません。。 遠くからですが、心から応援しています。”
” 良い方向に向かいます様に”

等、応援の言葉が添えられていました。

同じ悩みを持つ人がいる、それを解決してきた先輩とつながれる心強さは、「学校で給食を食べられない」親子の孤立感、不安を減らします。
また相談に乗るうちに、過去に悩んでいた自分の傷が癒えることもあります。

Branchオンラインコミュニティは、話を聞いて共感し、背中を押してくれる人と出会う場にもなっています。

ご興味のある方は、以下のリンクからお問い合わせください。
https://branchkids.jp/