こんにちは。
不登校や発達障害のお子さんと保護者さんのための居場所、Branchコミュニティです。
今回の記事は、発達障害と不登校についての内容です。
- 発達障害と不登校は、関係はあるの?
- うちの子が不登校になった原因は?
- 発達障害で不登校のうちの子が、どのように進路を歩んでいけばいいのか不安…
- 発達障害で不登校の子の心を、親としてどう支えればいいか分からない
などの疑問や不安がある、発達障害で不登校傾向が見られるお子さんを持つ、親御さんに向けた内容になっています。
ぜひご覧ください。
発達障害と不登校。相関関係や関連性はある?
これは文部科学省が平成4年から発表していることですが、不登校は特定の子どもに特定の理由があるから起こることではなく、誰にでも起こりうることです。
つまり不登校には、誰もがなる可能性があります。
ただ一般的に、発達障害のお子さんは、そうでないお子さんに比べて、不登校になりやすいと言えるでしょう。
様々な集計結果がありますが、発達障害の子どもにおける不登校の割合は、低いもので5%、高いもので40%というデータが出ています(加茂・東條, 2010)
一方、小・中学校全体における不登校生徒の割合は、1.9%という結果が出ています(文部科学省, 2020)。
この2つのデータから見ても、発達障害のお子さんはそうでないお子さんより、不登校になりやすいという結果が伺えます。
発達障害と不登校の関連については、こちらの記事をご参照ください。
発達障害のお子さんが不登校になる原因
発達障害の子は、その発達特性が学校という居場所と合わず、不登校になることがあります。
以下に、発達の特性別に不登校の原因とその事例をまとめました。
ADHD(注意欠陥/多動性障害)
ADHD(注意欠陥/多動性障害)のお子さんは、注意力や集中力にムラがある、じっとしていることが苦手、衝動的な行動をとってしまうなどの理由から、集団生活に合わず、不登校になるケースがあります。
ADHDの息子は、体育の授業で、「一斉指示に従って、決まった動きをする」ことができませんでした。
そのことをクラスメイトから責められてしまい、解決できないまま、登校ストレスが溜まって不登校になりました。
ASD(自閉症スペクトラム)
ASD(自閉症スペクトラム)のお子さんは、人とコミュニケーションを取ることや対人関係の構築が苦手なため、人間関係のトラブルによってストレスを抱え、不登校になるケースがあります。
友だちからイジられたことが原因で不登校になりました。
人によっては軽く流したり、ツッコんだりしてコミュニケーションを取れるのかもしれないが、発達特性があるのか、どう流したらいいかが分からず、何も言えなかったそうです。
それが辛いまま、学校へ行きたくなくなってしまった。
LD(学習障害)
LD(学習障害)のお子さんは、「読み」「書き」「算数」「推論」「話す」「聞く」など、学習に必要な行為に困難があることから、不登校になるケースがあります。
うちの子はLDの発達障害を持っています。
国語の授業で行われる「音読」がどうしてもできないのですが、先生に特性を理解してもらえず、音読ができないことを怒られ続けた結果、不登校になってしまいました。
不登校の原因、発達障害の特性は人それぞれ
発達障害の種類別に不登校の原因を解説しましたが、必ずしも「〇〇の発達障害があるから〇〇の理由で不登校になる」と決まっているわけではありません。
発達障害の有無に関わらず、不登校は誰にでもあり得ることで、その原因は一人ひとり違います。
発達障害も一人ひとりによって細かく特徴が違います。
例えば、ADHDと診断されてはいないけれど、グレーゾーンとは診断された子、ADHDとLDの両方だと診断された子、など様々です。
上の事例は参考にはなりますが、不登校の原因は「ADHDだから」「ASDだから」と考えずに、お子さん一人ひとりの特徴や、学校での複雑な人間関係、困りごとに注目することで見えてくるものです。
親はどう対応する?
発達障害のお子さんが不登校になった時、親はどのように対応すれば良いでしょうか?
まずは休養
まず大事なのは、しっかり心身の休養を取ることです。
子どもが「学校に行きたくない」と言い出した時点で、かなり子どもの心はダメージを負っているケースが多いです。
なぜなら、子どもが「学校に行きたくない」というには実はものすごく勇気がいること。
こんなこと言いたくないな…と思いながらもなんとか言っているケースが多く、悩みに悩んだ結果、ようやく打ち明けている、という可能性が高いです。
そんな時、子どもが再登校をするように登校刺激をしたり、また学習やフリースクールに通おうと積極的に社会と繋げようとすると、子どもはさらにプレッシャーを抱えてしまいます。
「学校行きたくない」と言ってきた子どもは、その時現在、居場所が家庭の中だけであるケースが多いので、家庭の中でも親からプレッシャーをかけられると、さらにメンタルが追い込まれてしまいます。
不登校が始まった子どもは「死にたい」「消えたい」などの言葉を口にしたり、身体の具合が悪くなることがあります。
子どもが心身落ち着いて、「〇〇やってみたい」など、自分から何か行動する意思を見せるくらい元気になるまでは、しっかりご自宅で休養を取ることをおすすめします。
そしてこの段階は、人によって様々ですが、年単位でかかるケースもあります。
不登校は長期戦と考えて子育てに取り組まれることを、おすすめします。
学校に行けない原因を探してみる
お子さんが不登校になっている間、どうして不登校になったのか、原因を探してみるのも良いと思います。
探る方法としては、3つあります。
1つは発達障害のことを調べることです。
上に挙げたように、お子さんの発達の特性から、学校生活において何が躓きやすいのかを調べておくのがおすすめです。
本や動画など、発達障害のお子さんが持ちやすい学校での困りごとを調べておくことです。
2つ目は、お子さんから聞くことです。
学校で何が嫌だったのか、ヒアリングしてみてください。
もちろん、無理やり聞き出すのはNGです。
子どもにとっては、強く聞かれたりしつこく聞かれると、怒られているように感じます。「学校に行かない自分は悪いんだ」と思わせてしまうのは、不登校時の子どもの心にとってよくありません。
それに、過去の嫌な記憶を思い出させてしまうことも多いです。
3つ目は、医師への相談です。
予約を取るのが難しいですが、児童精神科にかかってみるのも良いでしょう。
普段かかっているお医者様が児童精神科医だった場合はなおさらです。不登校問題にも慣れている場合があります。
他の人に相談して、親御さん自身の孤立を防ぐ
同じように、発達障害や不登校で悩まれている保護者の方や家族や親友などを見つけて、話を聞いてもらうのも良いでしょう。
子育ての方法など、知識や手立てが得られるのも良いことですが、それ以前に、「不登校や発達障害の子育てで困っているのは私だけじゃない」と気づくことで、親御さん自身の心も落ち着くと思います。
ですので、相談をして具体的な回答を得られなくても、周囲に悩みを相談して、共感してもらうことだけでも、良いと思います。
相談先としては、以下が例です。
- 家族
- 親友
- 同じ学校にいる不登校の親御さん
- 地域にある親の会
- 不登校×発達障害の相談や情報交換が行われるコミュニティ(Branch)
- SNSにいる、不登校×発達障害の子育て経験者
子どもが不登校になると、仕事をリモートにしたり時短にしたりと、家にいる時間が増えます。
外に出ないと人間、メンタルも沈みがちです。
そういう意味でも、外とコミュニケーションを意識的に取ることが大事です。
一緒に過ごしているので当たり前ではあるのですが、親のメンタルの不調は子どもに影響を与えるので、
お子さんの心身のためにも、親御さんが自身の心身をケアすることもかなり大事です。
発達障害で不登校のお子さんの過ごし方
不登校中の過ごし方としては、基本的にお子さんが何かしらの意欲を持つまでは自宅で好きなことをさせているのが良いと思います。
ただ、「〇〇やってみたい」「〇〇行きたい」「〇〇くんに会いたい」など、お子さんの心が元気になってきて、何か意欲がみられ始めた時には、
- 居場所を用意する
- 学習できる場を用意する
をしてみても良いと思います。
居場所
学校に行かない生活をしていると、当たり前ですが、友だちを作ることが難しいです。
ただ、社会との繋がりを持つことは、将来生きていく上で非常に大事ですし、困ったことがあれば助けてもらったり、相談できる人がいた方が良いでしょう。
また、子どもも自分を理解してくれる人が家族以外にいないことを、寂しがっているケースが多いです。
よって発達障害の不登校児にとって「居場所」を見つけることは、ポジティブな面が多いです。
以下のような場所は、子どもの家庭以外の居場所としておすすめです。
- フリースクール
- 放課後デイサービス
- 習いごと
またBranchも、子どもが学校外で友だちが作れるオンラインコミュニティを運営しており、「居場所特化」のサービスとなっているので、おすすめです。
勉強
子どもが、勉強に対する意欲を見せたり、周りの子と学習が遅れるのが不安、と言い出した場合には、親が学習できる場所を用意できると良いでしょう。
もちろん嫌々勉強をさせるのはNGですが、勉強をしておいて損ということはありません。
発達障害の不登校の子どもにとって、学校など集団生活の中での授業は難しい場合が多いです。
ただ再登校にならなくても、以下のようなサービスを利用すれば、発達障害に対する理解を持っているケースが多いので、子どもも学習に取り組みやすいと思います。
- フリースクール
- ホームスクール(家庭学習)
- (発達障害や不登校に理解がある)家庭教師・個別指導
発達障害で不登校のお子さんの進路
次に、発達障害で不登校の子の進路について、いくつかの代表的なパターンを解説します。
元いたクラスへ再登校する
子どもが自分から「戻りたい」と言ってきた場合には、元々いたクラスへ再登校するケースもあります。
ただ、クラスメイトや担任の先生など、発達障害からくる人間関係の育みにくさが原因で不登校になった場合は、
再登校が難しいケースが多く、再登校できても、再び不登校になるケースが多いです。
クラス替えや担任の先生が変わるタイミングを見計らうなど、慎重に考えましょう。
特別支援学級(支援級)を利用する
Branchの保護者の中で最も多く声があがったのがこちらです。
特別支援学級とは、比較的軽度の障害を持つ子どものために設置されている、最大8名の少人数の学級です。
発達障害に理解を持ち、様々な配慮をしてくれます。
詳しい情報はこちら
フリースクール
フリースクールとは、主に不登校の子どもや引きこもりの方が通う、「非学校的な施設」の意味合いで使われることが多い言葉です。
不登校や引きこもりの人たちが、信頼できる大人や友だちと出会ったり、それぞれのペースで学習をしていたりします。
フリースクールとひとことに言っても、
- オンラインか対面か
- 居場所重視か、学習重視か
- 通った場合、学校の出席認定をもらえそうか
- 進学のサポートはあるか
など様々な違いがあります。
最近フリースクールの数が増えていることもあり、特徴は様々です。よく検討しましょう。
転校する
友だちや先生など、不登校の原因が「人」にある場合は、転校をするのも1つの手です。
新しい環境がお子さんに合っていたら、メンタルが回復した状態で学校生活を送れます。
就職する
「自分でお金を稼ぎたい」という場合には、中学卒業以降、働き始めるのも1つの進路としてあります。
ただもちろん、年齢制限や資格の面で、就くことのできる職種は限られてきます。
まずはアルバイト等をしながら働くことで、自分に向いていること、やりたいことを見つけて、将来的にそこへ就職を目指すのも1つの手です。
他にも様々な選択肢があります。
中学に関する進路については、これまでに書いたものも、書いていないものも含め、こちらの記事に詳細が記載されていますので、ぜひご覧ください。
まとめ:「誰かに頼りながら、冷静に判断を。」
子どもが「学校行きたくない」と言ってきた時に、親はどうしても焦ります。
ただ、下手に登校刺激をせず、様々な情報、サービスや周りの相談できる相手を見つけながら、
親が冷静に「この子のためにどんな選択をすればいいだろう?」と考えられる状況を作ることが大切です。
子どものメンタルは当たり前ですが、それに加えて親のメンタル、両方を守ることができる居場所や頼れる先を見つけることをおすすめします。
発達障害や不登校の子の「友だちができる。安心できる居場所」とは?
Branchでも1つの解決策として、不登校・発達障害があるお子さま向けの「学校外で友だちができる」Branchコミュニティを運営していて、以下のような特徴があります。
- 同じように「学校行きたくない」という気持ちを抱え、家族以外の人との関わりが減ってしまった不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
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