発達障害や不登校のお子さんを持つ保護者の方々は、どんな悩みを抱え、どんなふうにお子さんと関わっているのでしょうか。

発達障害・不登校の親子向けにオンラインコミュニティやメンターサービスを運営するBranchでは、サービスをご利用の保護者のみなさんにインタビューを行い、これまでのご経験を詳しくお聞きしています。

この記事では、現在小学4年生のお子さんの保護者・田坂さんにお話いただいた内容をご紹介します。

 

子どものプロフィール

子どもの年齢:9歳・小学4年生
不登校の期間・様子:小学校1年生の3学期から不登校に。現在も自宅で生活
発達障害の診断・特性:医師からASD(自閉スペクトラム症)と診断

うちの子はもともとLEGO® や宇宙や恐竜、歴史、カーリング、プログラミングなどが好きで、今はマインクラフトにどっぷりです。マインクラフトのYouTubeチャンネルも自分で作って配信しています。

不安感が強く、驚くこと、怖いこと、見通しの立たないことが苦手です。
WISCを受けた結果から、視空間認知やワーキングメモリにしんどさがあるようです。
他にも、感覚過敏がけっこうあったり、字を書くのも嫌いだったり……
これだけ色々あると、学校はかなり辛いですよね。

今まで、習い事や学習支援など色々なところにチャレンジしてきましたが、現在利用しているのはBranchだけです。

 

不登校になったきっかけ


学校には小学1年生の3学期から行っていません。
本人曰く、同年代の子どもと関わるのが嫌だったみたいですね。

振り返ってみると、感覚過敏があったり、文字書くのが苦手だったり、見通しが立たないのが嫌だったり、他にもたくさんストレスがあったんだと思います。

でも、行きしぶりが始まった当時は、私も理由がよく分からなくて。

学校に行かなくなってからすぐ、「死にたい」と本人がすごく頻繁に言うようになりました。
他にも、給食をランドセルにそのままぶち込んで持って帰ってきたり、「死んだほうがまし」と私に手紙で書いて伝えてきたり……。

「私のこと、分からなくなってしまうんじゃないか」というくらい急激な変化でした。

それまではサッカーにも行って、他にも色々活動して、とバタバタだったのに、いきなり全部ダメになりました。


不登校になってからの保護者の対応

不登校になったのは、やっぱり子どもの特性も影響していると思ったので、発達障害に関してネットでたくさん調べました。


たまたまボランティアしてた友人に養護教員さんがいて、市の発達支援センターを教えてもらい、相談に行きました。

発達検査して、病院行って、発達障害の支援に関する研修やシンポジウムにもたくさん参加しましたね。

県がペアレントメンターをやっていたので、それも申し込みました。知り合いの人にたまたまつなげてもらって、心臓病の子を支援する会につながって、そこの人からペアレントメンターなど、いろいろな情報を教えてもらいました。そこで親の会も紹介してもらいました。

なので、自分で調べて行動して、というのもありますが、知り合った人から情報を教えてもらえたのが本当に大きかったですね。周りに信頼できる人がいるといいと思います。いなかったら、知り合いづてに紹介してもらうとか。

学校に行かなくなってから、放課後等デイサービスにも行きました。でも、通えなくて。原因は分からないですが、学校に行けなかった理由と同じだと思います。

ただその後しばらくして、「暇だから勉強する」と本人が言い出したんです。うちの子は学ぶのは好きそうと小さい頃から思っていたんですよね。地元にLD(限局性学習症)の子に対してオンラインで学習支援してくれるところがあったので、そこを利用してみることにしました。

「学習支援」という名目の教室だったけど、勉強ばかりするのではなく、子どもの話をたくさん聞いてくれる先生でした。それが本人にとってもすごく良かったようです。

宇宙とか恐竜とか、好きなことの話を1対1で聞いてくれたり、タウンシップというゲームを一緒にやったり……その先生がうちの子に「すごい知識がある!」と言ってくれて、それで自信がついたのか、元気になっていきました。

その様子を見て、「好きなことを好きなように学んだ方が良さそう」と私も思ったんです。大好きな先生が辞めてしまって、今ではそこに通っていないのですが、Branchスタッフのゆっちさん・わっきーさんにも同じように遊んでもらっていて、楽しんでいる様子です。

子どもが発達障害と分かってからは、先が全く見えなかったのが見えるようになって気持ちが楽になりました。「あとはなんとかしていくしかない」と前向きな姿勢です。


現在の過ごし方

Branchを知ってから1年半が経ちました。今は子どもの興味が赴くまま、過ごしています。Branchはオンラインで利用していて、ゆっちさん・わっきーさんという2人のメンターと一緒にマインクラフトで遊んでいます。

学校に行かなくなって初めの頃は、私もしんどい思いをすることがあったけど、もう「なんとかしないといけない!」というのはやめようという心持ちにたどり着いたんです。

「学校に行かせたい」「勉強させたい」「外には出て欲しい」みたいな当初の悩みは全部「もういいや」となりました。

療育では「できないことをできるように」するような支援が多いけど、そういうのももういいかな、って。

「好きなこと」をやってほしいんですよね。私から見ても子どもは好きなことがたくさんあって、今日は宇宙、今日は歴史、とか興味の幅が広くて好奇心旺盛なんですよ。学校で学ぶのが苦手なだけで、何かを学ぶこと自体は好きなように見えます。


時間が経つなかでの子どもの変化

ゆっちさんとわっきーさんと遊んで、いつもよりよく笑うようになりました。
たくさん笑うのを見ると「ああこんなにたくさん笑うようになったんだな、前みたいだな。」って。

幼稚園のころはすごくよく笑ってたんです。
幼稚園のころのみんなと関わってた頃の感じに戻ってきたな、って感じます。


子どもの未来について、保護者として願うこと

好きなことを好きなように、無理せず、我慢せずやっていければ、それが一番いいかなと思います。

子どもは今は「じりつしたおとなになりたい」って言っています。
「どっちのじりつ?」と聞き返したところ、
「みんなに助けてもらうほうの自律」だそうです。

興味や方向はもしかしたらまた変わるかもしれないですが、その自分の好きなことにそって生きていけたらいいかなって思っています。

 

 

 

ライター&インタビュアー:中里祐次

Branch代表。早稲田大学卒業後、㈱サイバーエージェント入社。子会社の役員など約7年勤めた後にサイバーエージェントから投資を受ける形で独立。自分の子どもがレゴが好きで、東大レゴ部の方に会いに行った時に目をキラキラさせていたのを見てこのサービスを思いつきました。好きなことは、漫画やアニメを見ること、音楽を聞くこと、サウナ、トレイルランニング、かなり多趣味です。Branchの子どもたちに鍛えられて子どもが好きな遊びはたいていできるようになりました。