「ゲームに熱中する息子を見て、正直他のことに打ち込んでほしいと思っていたこともありました。でも最近は”ゲームが息子の世界を広げてくれているのかもしれない”って思えるようになったんですよね」

そう話してくれたのは、Branchに通うAくん(仮名)のお母様の日比さん。

Aくんはゲームが大好きな小学2年生。スプラトゥーンやマイクラなどを経て、今はフォートナイトにハマり日々プレイを積み重ねています。

Aくんは1年生の時に不登校に。毎日ゲームにのめりこむ姿を見て当初は日比さんも「なんとかゲームをやめさせたい」と考えていたといいます。しかしBranchを利用する中で少しずつその思いは変わっていったのだそう。

今回は日比さんに、ゲームに対する考え方の変化や、子どもの”好き”を尊重しながら世界を広げる方法について伺いました。


突然「学校に行きたくない」と言われ、驚いた

ーーAくんがBranchを利用し始めたのは不登校がきっかけだったんですよね。学校に行かなくなった経緯を伺ってもいいでしょうか?

1年の2学期に突然「学校に行きたくない」と言われたんです。これまで自分の気持ちをほとんど主張しない子だったので、とにかくびっくりしましたね。

よくよく理由を聞くと、どうやらやるべきことが強制的に決められているのが嫌だったみたいです。また、息子は「次に何を、誰と、どこで、どのようにやるのか」といった詳細な見通しがないと不安が強い性格で。でも、学校で見通しを逐一説明してもらうのは難しいですよね。それも辛かったようです。

ーー「行きたくない」と言われて日比さんはどう感じましたか?

突然のことで、最初はどうしても受け入れられなかったんです。なんとか学校に戻ってもらおうと、毎日付き添って登校したり、病院や教育相談、スクールカウンセリング、療育など、とにかく様々な場所に連れていきました。

その結果、毎日「明日が来なきゃいいのに」と言うほど、元気がなくなっていってしまって…。私がそばにいないと不安で動けなくなってしまうこともあったんです。

その様子を見ているうちに、今必要なのは無理やり学校に行かせたり、苦手を克服したりすることではなく、心の底から安心して楽しめる場所を見つけることなのかもしれない。そう思うようになっていきました。


対話を通して”好き”を一緒に発見していった

ーーちょうどその頃に、Branchを見つけてくださったんですよね。

はい、インターネットで色々と調べていたらBranchの”「好き」で自信を創り、「好き」で社会とつながる”というコンセプトを見つけて。ここなら息子が安心して楽しめるんじゃないかなと思ったんですよね。

ーーBranchでは最初個別プログラム(※1)を利用してくださっていましたよね。

(※1)お子さんに合わせてカスタマイズをしながら”好き”を見つけたり、一緒に”好き”を育むプログラム。

そうですね。Branchメンターの宮脇さんから「とにかくAくんの好きなことをやりましょう」と提案されて大好きなゲームを一緒にしてもらうことになりました。

実は、それまで私と夫は「ゲームばかりしないでほしい」と否定的スタンスだったんです。でも宮脇さんは一緒に全力でゲームをしてくれる。だから息子はすぐに打ち解けて「ゲームの話が通じる大人だー!」と大喜びでしたね(笑)

当時は毎日「明日が来ないでほしい」と言っていたのに、宮脇さんがくる時は次の日を楽しみにできるようになっていきました。

ーーBranchの日をとても楽しみにしてくれていたんですね!

宮脇さんが帰る時に毎回「帰ってほしくない」と言うほど楽しい時間になっていたみたいです。

これは、不登校になった時に息子に書いてもらっていたノートなんですけど……

習い事やよく行く場所をリストにして、とても楽しい時は○、普通は△、嫌な時は×をつけてもらっていたんです。他の項目は×ばかりがつく中で、宮脇さんはずっと○だったんですよ

ーー宮脇が聞いたら喜ぶと思います(笑)このノート、お子さまの気持ちがとてもよくわかっていいですね。

元々息子は自分の正直な気持ちを伝えるのが苦手で。学校に行かなくなった時に「どうして?」と聞いてもなかなか答えてくれなかったんですよね。

嫌なことを無理強いするんじゃなくて、息子の正直な気持ちを知った上で対応策を考えたいな、と。試行錯誤してたどり着いたのがこの方法だったんです。

ーー質問に答えていくと、何が好きで、何が嫌いなのか自分で知るきっかけにもなりますよね。

○や△、×をつけるだけではなく「なぜそう感じるのか」という理由も一緒に考えるようにしています。息子だけで考えるのが難しい時は「もしかしてこんな理由かな?それともこうかな?」と選択肢を出してフォローをするようにしています。その中で息子も「そうそう!」とか「それはちょっと違うんだよね」と言いながら、少しずつ話してくれるようになっていきました。

ーー自分の気持ちとその理由を言語化する練習にもなっているんですね。

好きなことや得意なことだけでなく、苦手なこと、嫌なことの理由も考えながら、少しずつチャレンジしています。「授業が嫌だ」ではなく「座って話を聞くのが苦手」「見通しがないと不安になる」というように理由を詳しく表現できれば、対応策も考えやすくなります。Branchに通いだしてからは他の項目も含めほとんどが今ではほとんどの項目が○になり、GW明けからは週3日学校にも通うことができています。

↓Branch利用から約3ヶ月後


↓Branch利用から約半年後


”好き”を軸に新しいことに挑戦できるようになってきた

ーーBranchのプログラムに参加して何かAくんに変化はありましたか?

息子は新しいことに挑戦するのがあまり好きではなくて。でも、最近は「とりあえずやってみようかな」と様々なことに挑戦できるようになってきました

ーー何がきっかけでそう思えるようになったのでしょうか。

Branchでは、好きなゲームを通じて新しいことに少しずつ挑戦していけたので、楽しみながら成功体験がつめたのだと思います。例えば、最初Branchでは個別プログラムを受けていましたが、最近はゲームが好きな子たちと一緒に集団プログラムにも参加しはじめました。ゲームを通じて少しずつ世界が広がっていると思います。

ーー好きなことを通して楽しめる経験を重ねたことで、徐々に新しいことに挑戦できるようになっていったんですね。

もう一つ大きな変化は、話を盛らなくなったことですね。元々息子は「1日でゲームをクリアした」「特殊なアイテムを見つけた」と本当ではないことを言ってしまうことも多くて心配していたんです。でも、最近はそれが少しずつ減ってきています。

ーーそれも何かきっかけがあったのでしょうか。

話を盛ってしまう背景には「すごいことを言わないと自分を認めてもらえない」という自信のなさがあったようなんです。でもBranchでは、息子がどんなことを話しても、そのまま受け止めてくれるんですよね。「ゲームが上手」だから評価してもらえるわけではなく「ゲームが好き」という気持ちがあれば人と繋がることができる。その経験を積んだことで「ありのままの自分でも認めてもらえるんだ」と気づいたみたいで。

最近、本人が「ねえねえ、ママ。僕、話盛らなくなったと思わない?」って言ってきたんですよ(笑)「今までは口から嘘が勝手に出てきてしまっていたけれど、後悔もしていたし、嘘だってばれたらどうしようと心配だった」と。最近は安心して話ができるようになったみたいです。


ゲームは「悪ではない」と気づくことができた

ーーBranchを使用し始めて、日比さんもゲームに対する考え方が変わったとおっしゃっていましたよね。

以前は、ゲームなんてやめてほしいと思っていたこともあったんです。でも、宮脇さんは息子がゲームを通してどんなふうに成長しているか教えてくれるんですよね。

新しいことに挑戦できるようになっていること、正直に自分の気持ちを話せるようになったこと。息子の変化を知るうちに、少しずつゲームは世界を広げてくれるものなのかもしれないと思えるようになっていきました。

宮脇さんに解説してもらわなかったら「またゲームばかりして…」としか思えなかったし、息子の好きなものを理解してあげられなかっただろうな、と。そう思うとありがたいです。

ーー先日Branchでプロゲーマーの方を招いてイベントを開催しましたが、お母様もAくんと一緒にお越しいただいていましたよね。

ええ。イベントでプロゲーマーの方が「僕はやるべきことは全てやった上でゲームをしていたし、昼夜逆転しないように時間管理もしていた。ゲームに打ち込んでも、他のことをおろそかにしないことが大事だ」と言っていて。ゲーム自体が悪なのではなく、やり方次第なのだと改めて思いました。

ーーAくんもお母さまに好きなことを認めてもらえてとても嬉しそうですよね。

そうですね。今までは「やってみたらできるのに、なんで挑戦しないんだろう」とやきもきしていましたが、まずは「好き」「やりたい」という気持ちを安心して持つことが大切なんだな、と。ゲームを通じて親子で色々なことを学んでいる気がします。




 

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ライター:岡本 実希さん