「子どもの気持ちも、保護者の気持ちも大切に」発達障害の子どもの癇癪 – 具体的な対応のヒント

発達障害の特性のあるお子さんに癇癪がみられることは少なくありません。

普段からできるだけ環境を整えても、日常生活の中で癇癪をゼロにすることはなかなか難しいですよね…。

今回は、実際に子どもの癇癪が起きた時どのように対応しているか、Branchを利用している保護者の方にお聞きした事例をまとめていきます。

危険のない程度に、離れて見守る

癇癪が起きている最中は、何を言っても火に油を注ぐ状態です。

本人の命の危険、親や家族も含めて誰かに怪我をさせる危険がないように、少し距離をおいて、まずは黙って見守ります。

共感の声掛け

叫んだり暴言を吐いたりが少し落ち着いたら、「嫌だったね」「むかつくね」「死んでしまいたいくらい嫌だったんだね」など共感の言葉をかけます。

本人の気持ちをこちらが言語化して伝えて、「本当に嫌だったのは何か?」を確認します。「それは私も嫌かも」と共感してみることもあります。

否定せず、子どもの思いを聴く

子どもが少し落ち着いたら、私も気持ちを整えてから話しかけるようにしています。

子どもの気持ちを聴くときは、否定しないことが大切。

出来るだけ子どもの態度を観察し、こちらが言語化して投げかけて、コミュニケーションのズレを埋めるようにしています。

クールダウン、切り替えの工夫

わが子は、こたつの中やトイレで叫んでます。

息子は4歳くらいから、パニックになると自分で寝室に行ってクールダウンしていました。

息子から別の部屋に移動することが多いので、そのままクールダウンしてもらいます。しばらくしても戻ってこない時は、おやつやアニメのことなど、関係ない話をして気持ちを切り替えられるように工夫しています。

子どもと一緒に決めた対処

以前、息子がご機嫌な時に「ああいうときどうして欲しいの?」と尋ねて、答えてくれたことをもとに対応しています。

アドバイスはせず、洗濯物をたたみながらなどあんまり向き合わず、ただそばにいて落ち着くのを待つ。落ち着いたら、だいたい息子から「2人で話したい」と言われるので話し合う。

最近はチャットアプリのDMで話し合う時もあり、文字の方が冷静に考えられるようで効果的に感じています。

保護者自身の気持ちや安全も大切

普段から、自分の時間を出来るだけ作るようにしています。

うちの場合ですが、自傷行為が無くなったので癇癪が起きたらその場を離れます。イヤフォンを付けて無視したり、犬の散歩に出かけることもあります。離れられないときは、安全な場所へ移動しています。

落ち着くのを待っている間、親自身、意識を飛ばすのが上手になっていきますね(笑)

あえて、全部聞かないようにしています。自分のメンタルが不調になってしまうので、外せないポイントはしっかり聞いて、自分のキャパを考えて対応しています。どうしても自分がしんどい時は、サッと別の部屋へ行ったり、「お母さん今は体調悪くてごめんね」と伝えることもあります。

子どもの気持ちにやっと気づけた

小さい頃は、話をして落ち着かせてようとしたり、おんぶして外に連れ出して気分を変えさせようとしていました。今思えば、「癇癪を起こすほど訴えたい気持ち」があることに気づいてやれば良かったと思います。

親としては、周りへ迷惑かけていることが気になるし、早く収まってほしいし、心に余裕がなくて自分の気持ちを優先させていたなと思います。

分かっていても、なかなか上手く対応できない

いまでもうまく対応できていません…。「深呼吸だよ」などの声かけはしているのですが、まだ子ども自身が気づいてできるものではなさそうです。

落ち着くまで離れて待ちますが、子どもから近づいてパンチ攻撃してくる時もあります。逃げるか、ボクシングコーチのようにクッションで受け、「はいワンツー」と掛け声をかけています。そのうち疲れて収まりますが、果たしてこれでいいのかわかりません…。

応戦しないで、できるだけこちらの心を落ち着かせるように心がけてました。波が去ると大体落ち着くので、それを待つ感覚です。とはいえ、お互い大泣きしながらバトルしたこともあります~。

子どもの変化

年齢が上がったのもあるのか、自分で癇癪を起こしているのに気づいて、怒りながらも「ごめんね」と言うようになりました。

私の言葉が的を得ず、「そうじゃない!」と余計癇癪がひどくなることもありましたが、それは一時的なので、収まるまで別室で様子をみていました。今は服薬のおかげもあり、癇癪やパニックはかなり減りました。経験を積み重ねて、嫌なことや予想外のできごとにも、見通しを立てられるようになったからかもしれません。

家庭それぞれの答えがある

いかがでしたか?

一般的な対応が当てはまることもあれば、なかなか上手くいかないこともありますよね。

また、お子さん自身がどうしてほしいのか、保護者自身の気持ちも大切に対応していくにはどうしたらいいか、それは家庭ごとの答えになっていくのだと思います。

もし行き詰まった時は、他のご家庭の様子もヒントのひとつになれば幸いです。

ライター:小堀 紫苑

京都大学医学部人間健康科学科卒、資格:作業療法士 保育士
精神科病院、療育、訪問看護での勤務歴あり。経験を活かして、柔軟に創造的に、お子さんと関わっていきます。私自身とてもマイペースな子どもだったのですが、納得いくまで取り組むことを尊重し見守ってくれた大人の存在は、今でも心の支えです。 私もお子さんの可能性を信じ、個性に寄り添い、安心できるお話し相手になれたらと思います。そしてご家族のサポートも行っていきたいです。好きなことは、歌・ウクレレ・手芸・ヨガなど。ジブリや絵本の世界観、生き物や自然を観察することも大好きです!

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Posted by 紫苑小堀