
こんにちは。不登校や発達障害のお子さんと保護者さんのための居場所、Branchです。
「子どもが昼夜逆転してゲームばかりしている」 「外出を怖がり、家族以外との会話がなくなってしまった」
不登校の期間が長引くにつれ、こうした悩みを抱える保護者の方は少なくありません。「このままずっと引きこもってしまうのではないか」と不安になることもあるでしょう。
今回は、以前インタビューにお答えいただいた佐藤さん(仮名)と、ADHDの特性を持つ小学生の息子さん、ユウキくん(仮名)の「その後」のエピソードをご紹介します。
以前は「ゲームしかやることがない」と話し、外出や人との関わりを極度に恐れていたユウキくん。しかし、Branch(ブランチ)を利用してから約1年、驚くような変化が訪れました。
ゲームへの没頭からピアノへの興味への移行、そして自信を取り戻し、ついに1年ぶりに学校へ足を踏み入れるまでの胸があつくなるストーリーをお届けします。
※本記事に出てくるお名前は、プライバシー保護のため仮名とさせていただいております。
突然の興味の変化。「ゲーム」から「ピアノ」へ
以前は『マインクラフト』や『ジオメトリーダッシュ』といったゲームに没頭し、「自分にはゲームしかない」と話していたユウキくん。しかし、ある日突然の変化が訪れました。
これまで熱中していたゲームをパタリとやめ、「ピアノを弾きたい」と言い出したのです。
きっかけはYouTubeでした。『エリーゼのために』やシューベルトの『楽興の時 第3番』、『Rush E』といった曲を聴き、「かっこいい、自分も弾きたい」と直感的に感じたそうです。
「ピアノは音ゲーだよね」独自の感覚で習得
家にあったキーボードをリビングに置くと、楽譜が読めないユウキくんは、なんと「耳コピ」と佐藤さんの指運びを見るだけで練習を開始しました。
「ピアノって、音ゲー(リズムゲーム)だよね」
ユウキくんは、これまで培ったゲームの感覚をピアノに応用し、短期間で『エリーゼのために』の冒頭を弾けるようになりました。「楽譜が読めないから無理」と諦めるのではなく、「指の場所を覚えればいい」という独自の攻略法を見つけたのです。
「やってみたら、できた」
この小さな成功体験が、ユウキくんにとって大きな自信の種となりました。今では「楽譜が読めないと不便だから覚えたい」と、座学への意欲も見せ始めているそうです。
Branch(ブランチ)での「肯定」が育んだ自己肯定感
ユウキくんの変化の裏には、Branch(ブランチ)のメンター(スタッフ)との関わりがありました。
佐藤さんは、「Branch(ブランチ)のメンターさんたちに褒められた経験がすごく大きかった」と語ります。
利用当初、ユウキくんは「どうせ自分には無理」「マイクラなんてできない」とネガティブな発言を繰り返していました。しかし、メンターたちが彼に寄り添い、どんな小さなことでも「すごいね!」「面白い視点だね!」と肯定し続けたことで、彼の内面は徐々に変化していきました。
「俺って、いいところあるの?」 「頭は悪くないのかもしれない」
否定されることへの恐怖が薄れ、自分の存在を肯定できるようになったことで、ユウキくんは「新しいことへの挑戦」を恐れなくなっていったのです。
1年ぶりの学校、そして広がる社会への扉
自信を取り戻したユウキくんの行動範囲は、家の中から外の世界へと急速に広がりました。
「店員さんに聞けたよ」外出への自信
かつては外出を怖がっていた彼が、今では一人で近所のスーパーへお昼ご飯を買いに行けるように。 ある日、佐藤さんが体調を崩した際、お使いを頼むと、見当たらない商品を自分から店員さんに尋ねて購入してきました。
「わからなかったけど、店員さんに聞いて買ったから」
知らない人と話すことへの恐怖心がなくなり、「頼りにされた」「自分で解決できた」という経験が、さらなる自信へと繋がっています。
容姿への不安を乗り越えて
そしてついに、ユウキくんの口から「学校に行ってみようかな」という言葉が出ました。 約1年ぶりの登校。当初は「容姿が変わって変だと思われるかもしれない」と不安を口にしていましたが、佐藤さんの「大丈夫、堂々としていればいい」という言葉に背中を押され、5時間目だけの登校を果たしました。
学校に行ってみると、友達は温かく迎えてくれました。 「俺、大丈夫かもしれない」 帰宅したユウキくんはそう語り、その足で友達と遊びに出かけていったそうです。
この劇的な変化を受け、佐藤さんはBranch(ブランチ)でのサポート頻度を減らし、より外の世界での体験を増やしていく新しいステップへと進むことを決めました。
保護者の「待つ姿勢」が実を結ぶまで
ここまでの変化は、一朝一夕に起きたわけではありません。佐藤さんは、過去にお兄ちゃんの不登校対応で「焦って過剰適応させてしまい、失敗した経験」があったといいます。
だからこそ、今回は徹底して「焦らず、見守る」ことを心がけました。
- 勉強を無理強いしない
- 昼夜逆転しても、寝る前の会話を楽しい時間にする
- 癇癪(かんしゃく)を起こしても、落ち着くのを待つ
以前は癇癪を起こして物を投げることもありましたが、今では「壊れるからやめて」と言えば「ごめん、やめるね」と話が通じるようになりました。
佐藤さんがじっくりと信頼関係を再構築し、Branch(ブランチ)という第三者の安心できる居場所を作ったこと。この二つの要素が噛み合い、ユウキくんは自らのタイミングで動き出すことができたのです。
まとめ
不登校や発達障害の特性を持つお子さんにとって、「自信の回復」は何よりも重要なエネルギー源です。
今回のユウキくんの事例は、好きなこと(ゲーム)を否定せず、第三者(Branch)が徹底して肯定し続けたこと、そして保護者の方が「焦らず待つ」姿勢を貫いたことが、再登校や新しい興味(ピアノ)への挑戦に繋がった好例と言えます。
「ゲームしかしていない」と見える時間も、子どもにとってはエネルギーを溜めている期間かもしれません。その子が本来持っている好奇心や能力は、安心できる環境と自信さえあれば、ある日突然、芽を出し始めます。
Branch(ブランチ)では、お子さん一人ひとりの「好き」を大切にし、保護者の方と一緒にその成長を見守るお手伝いをしています。お子さんの様子で気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
発達障害や不登校の子の「友だちができる。安心できる居場所」とは?
Branchでも1つの解決策として、不登校・発達障害があるお子さま向けの「学校外で友だちができる」Branchコミュニティを運営していて、以下のような特徴があります。
- 同じように「学校行きたくない」という気持ちを抱え、家族以外の人との関わりが減ってしまった不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
Branchコミュニティは1ヶ月無料体験ができるので、ご利用を迷われている方は一度お気軽に無料面談予約をお申し込みください。







