
こんにちは。不登校や発達障害のお子さんと保護者さんのための居場所、Branchです。
「うちの子、学校に行かなくなってから、外に出ることも怖がるようになってしまった」
「家で好きなゲームはしているけれど、このままでいいんだろうか」
「親以外の人と関わる機会が減って、社会性が育つのか不安」
不登校や発達特性のあるお子さんを持つ保護者様から、このようなお悩みを伺うことがよくあります。お子さんを想うからこその不安や焦り、どう接したら良いのかという戸惑いを、一人で抱え込んでしまうこともあるかもしれません。
この記事では、小学4年生でASD(自閉スペクトラム症)と境界知能の特性があり、「人が怖い」「外の空気が毒だ」と言って1ヶ月近く外出できなかったお子さんが、Branchのオンライン体験をきっかけに、驚くような変化を見せてくれた事例をご紹介します。
※この記事は、保護者様へのインタビュー内容に基づき、個人が特定されないよう一部編集を加えた上で、お子様・保護者様ともに偽名で掲載しています。
🫥 「人が怖い」と外出できず、完璧主義に悩む日々
今回お話しを伺ったのは、小学4年生のユウキくん(仮名)のお母様、佐藤さん(仮名)です。
ユウキくんはASD(自閉スペクトラム症)と境界知能(IQ 80)の診断を受けており、当時(入会前)は学校に全く通っていない不登校の状態でした。
佐藤さんから伺ったユウキくんの状況は、以下のようなものでした。
- 他者と関わりたい気持ちはあるが、多人数が苦手。
- 見通しが持てない状況になると不安に陥りやすく、癇癪を起こしやすい。
- 完璧を求める傾向が強すぎて、本人も辛そうにしている。
- 癇癪については、最近「自分でも何とかしたい」と悩んでいると告白してくれた。
親子関係は不登校当初より随分良くなったものの、佐藤さんは「共感し、安心感を与えてくれる第三者の存在」が、ユウキくんの困り事を好転させるキッカケになるのではないかと感じていました。
というのも、ユウキくんは「人がこわい」「外の空気が毒だ」と言い、面談前の1ヶ月間は、お気に入りの回転寿司店(ますし)以外、ほぼ外出できていない状態だったからです。
🎮 オンライン体験が「外出」のきっかけに
そんな中、ユウキくんはBranchのオンライン個別体験(好きなゲーム『スマブラ』をスタッフと遊ぶ)に参加しました。
「すごく喜んでて、『次いつだー!』ってなってるんです」
体験後、佐藤さんは興奮気味にそう話してくださいました。そして、さらに驚くべきことが起こります。
「今日、外出れない子だったのに、『お買い物いく?』って聞いたら、スーパーマーケットついてきたんです。あんなに『人がこわい』とか言っていたのに。ここ1ヶ月ほぼ外出てなかったのに、まさかの今日外出できたんです」
佐藤さんは、ユウキくんが外に出られない理由を「外にいっても、楽しいことがないので出れない」「わくわくできることがあれば、外出できると思う」と分析していました。
Branchスタッフとの『スマブラ』が、ユウキくんにとって久しぶりの「わくわくできること」となり、外に出るエネルギーになったのかもしれません。
🤝 なぜ「親」ではなく「第三者」だったのか
佐藤さんは、ユウキくんが「わくわく」できるなら、とご自身も『スマブラ』に付き合おうとしたことがあったそうです。
「スマブラってゲームがほんとにむずかしくって。付き合ってほしいって言われてやるけど、スタッフさんみたいに1時間とか遊べない。たぶん、いい感じで遊んで、ギリギリで負けるとかさじかげんがあるといいけど、私よわすぎて…調節して遊べる人がいいのかな」
また、声掛けの難しさも感じていました。 「『やられてつらかったんだね』とか気持ちによりそえばいいけど、私が言うとわざとらしい」
ユウキくんは、物事の捉え方が極端になりがちなところがあり、佐藤さんは「親(自分)だけ」の関わりでは限界があると感じていました。
「第三者の方で、たよっていいし、思ったこと言って良い、好きに言っても否定されない、ってのがあるといいな、と。今まで、大人に(先生や、お友だちの保護者さん)言って、否定されることが多かったので、『大人に言っても駄目』と(思っている節がある)」
安心できる第三者との関わりが、ユウキくんの認知の歪み(「怖い」「不安だ」という思い込み)を和らげ、社会に馴染んでいくために必要だと、佐藤さんは考えたのです。
葛藤:「遊びたい」のに「傷つけたくない」
ユウキくんには、「同じ年の子と遊びたい」という強い欲求がありました。
しかし、以前仲の良かったAくん(仮名)と遊べなくなった経験が、彼を慎重にさせていました。ユウキくんは『にゃんこ大戦争』を5年やっていますが、始めたばかりのAくんにアドバイスをしたところ、それがAくんにとって鬱陶しくなってしまったようでした。
「ショックだったみたいで。『もう遊べる人いないかもしれない』『同じ年の子と遊びたいけど、遊べない。欲してるけど、傷つけたら嫌だし』と。頭でかんがえすぎてて、行動取れないんです」
その不安は、Branchのオンラインコミュニティ(Discord)に対しても向けられました。 「自分より進んでいる子がいる」「自分が書いたことで、相手傷つけちゃったらどうしよう」 「マイクラで約束守れない子がいると、できなかった。『大丈夫な子なのか、大丈夫じゃない子なのか、最初分からなかった』って」
ユウキくんにとって一番の心配は、「自分が相手を傷つけないのか?」ということでした。
🌱 1ヶ月後の驚くべき変化:「天才」と「必要なルール」
ユウキくんは、まず安心できる大人を増やすため、Branchスタッフとの個別サポート(月4回)からスタートしました。
それから約1ヶ月半後。 佐藤さんから、ユウキくんのさらなる変化について報告がありました。
- 外出のハードルがさらに下がる
「『人が怖い』が軽減しました。近所の散歩や自販機から、先日(Branchのイベントで)代官山のBranch roomまで行けたんです。電車なんてとても乗れる人じゃないので。半年以上乗ってなかった電車に乗れた。帰りもわーっとならずに帰ってこれました」 - 自己肯定感の向上
「自己肯定感がすごくひくかったんです。『ばかだ』『だめだ』とか、自分のことをすごく責めてて。スマブラで名前つける欄があるんですが、今まではひどい名前だったのに、最近『天才』ってつけたんです」 - 感情のコントロール
「癇癪が減りました。失敗があった時に『二度といやだー!』ってなってたけど、一回パニックになったあと、『次はどうしよう』とかって言うようになったんです。理不尽な暴言は減りました」 - ルールへの認識の変化
ユウキくんは元々、「あなたはこうしなければいけない」と形にはめられることや、「誰かが決めたルール」が嫌いでした。「ルールはくそくらえだ」と。
「Branchのスタッフと遊んでから、『ルールは必要なルールもあるね』って。『学校のルールは?』って聞いたら、『あれは、いらないルールだから、ああいうのはなくていいんだ』『人を守るために、殺しちゃだめだとかはいるけど』って。Branchで遊んで頂いたおかげでキズキも得たみたいです」
さらに、ユウキくんは過去のトラウマ(幼稚園や小学校で嫌だったこと)も話してくれるようになりました。 「勉強ってやればやるほど、自信つくって先生言うけど、自分はやればやるほど自信なくしていく感覚。自分を知ることになるので、嫌だ、と」
安心できる第三者と関わり、「しょうもないことも聞いて、否定しないスタイル」に触れたことで、ユウキくんは自分の内面を整理し、自信を取り戻し始めていました。
まとめ
今回は、「人が怖い」と外出もままならなかった小学4年生のユウキくん(仮名)が、好きなゲームを通じた「否定しない第三者」との出会いをきっかけに、外出できるようになり、自己肯定感や感情のコントロール、物事の捉え方まで大きく変化した事例をご紹介しました。
保護者様が感じていた「親だけでは限界がある」「安心できる第三者が必要」という課題に対し、Branchのスタッフが「わくわくできる遊び相手」として関わったことが、ユウキくんの「大人に言っても駄目」という思い込みを解き、「自分も大丈夫だ」という安心感につながったのだと思われます。
Branchでは、ユウキくんのように「本当は誰かと関わりたい」「自分の好きなことを見せたい、共感してほしい」という気持ちを抱えているお子さんたちが、安心して自分を出せる居場所を提供しています。
もし今、お子さんとの関わり方や、親以外の第三者とのつながりの必要性に悩んでいらっしゃるなら、ぜひ一度Branchにご相談ください。お子さんに合った関わり方を一緒に見つけていきましょう。
「好き」で安心とつながりを育むサードプレイス
この記事を書いているBranchは、不登校・発達障害のお子さま向けのオンラインサービス「Branch home+」を運営しており、以下の特徴があります。
- 子どもが安心できるメンターと、1対1で好きなことを好きなだけ楽しむ「好きなことプログラム」
- オンラインツールをつかった、学校外で友だちができるコミュニティサービス「好きなことコミュニティ」
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もある。
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