こんにちは。
不登校や発達障害のお子さんと保護者さんのための居場所、Branchコミュニティです。
小学生になっても学校に行くのを怖がったり、母親と離れられなかったりする。そんな母子分離不安でお悩みの方も多いのではないでしょうか。
特に発達障害のあるお子さんの場合、環境の変化に敏感だったり、コミュニケーションの難しさを感じたりすることから、より強い不安を抱えることがあります。
この記事では、
- 母子分離不安がある小学生の特徴
- 母子分離不安の発達障害との関係
- 母子分離不安への対処法
- 母子分離不安が終わるきっかけの体験談
などを解説していきます。
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下記の内容が分かります◎
- 子どもが「学校行きたくない」と言い出したらどうするか?
- 学校への合理的配慮の依頼方法
- 母子分離はどのようにできるようになったか、保護者インタビュー集
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母子分離不安とは
母子分離不安とは、子どもが保護者と離れることに強い不安や恐れを感じ、離れることを嫌がる状態を指します。
この状況は発達障害を持つ小学生にも見られ、こうした子どもたちにはより丁寧で具体的なサポートが求められます。
母子分離不安がある小学生の特徴
小学生の母子分離不安には、以下のような特徴的な症状が見られます。
朝になると体調不良を訴える傾向があり、「お腹が痛い」「頭が痛い」といった身体症状として現れることが多いのが特徴です。
また、母親が見えなくなると強い不安を示し、泣いたり怒ったりするような感情の起伏が激しくなることもあります。
学校では保健室に頻繁に行きたがったり、授業中も「母親に電話したい」と訴えることがあります。
中には学校に行くことそのものに強い抵抗を示し、不登校になるケースもあります。
家庭では、母親が外出しようとすると激しく泣いたり、母親の服をつかんで離さなかったりする行動が見られます。
また、就寝時に一人で寝ることができず、必ず母親と一緒でないと眠れないといった状況も起こりがちです。
これらの症状は、決して「甘え」や「わがまま」ではなく、子どもが本当に苦しんでいるサインとして受け止める必要があります。
母子分離不安と発達障害の関係
母子分離不安と発達障害には関連性が見られます。
発達障害からくる社会での困りごとが、母子分離不安につながっているケースが多いからです。
ASDとADHD、2パターンの場合でお話しします。
ASDとの関係
自閉スペクトラム症(ASD)と母子分離不安には、いくつかの関連性があります。
ASDのある子どもは、環境の変化に特に敏感で、予測できない状況に強い不安を感じやすい特徴があります。
そのため、母親という「安全基地」から離れることに、より強い不安を感じる可能性があります。
例えば、学校でクラスの席替えや新しい活動が導入された際に強い拒否反応を示すことがあります。
また、家庭では、母親が短時間外出するだけでも泣き出したり、不安定な行動を見せたりするケースもあります。
また、ASDの特徴として、他者とのコミュニケーションや社会的関係の形成に困難さを感じることがあります。
そのため、学校という社会的な環境に入ることへの不安が高まり、結果として母親への依存が強くなることがあります。
ASDのある子どもの場合、感覚過敏も母子分離不安に影響を与えることがあります。
教室の騒音や蛍光灯の光、給食のにおいなど、様々な感覚刺激が不快感を引き起こし、その結果として母親の存在を求める行動につながることがあります。
ADHDとの関係
注意欠如・多動性障害(ADHD)と母子分離不安にも関連性があります。
ADHDのある子どもは、不注意や衝動性、多動性といった特徴により、学校生活での様々な困難に直面することがあります。
特に、授業に集中することの難しさや、友人関係でのトラブルなどが、学校に対する不安を高める要因となり得ます。
また、ADHDの特徴として、感情のコントロールが難しいことがあります。
そのため、母親と離れる際の不安や焦りの感情が、より強く表出される傾向にあります。
衝動性の高さも、母子分離不安を強める要因となることがあります。突発的な行動や判断により、学校での失敗体験が積み重なると、より一層母親への依存度が高まる可能性があります。
母子分離不安の小学生にやってはいけないこと
母子分離不安を抱える発達障害の小学生への対応においてやめた方がいいことは、子どもが「学校へ行きたくない」と言ってきた場合の、「登校刺激」です。
「学校に行かないと将来困る」「みんなは行けているのに」といった言葉かけや、無理に登校を促す行為は、子どもの不安をさらに高めてしまいます。
このような登校刺激は、子どもに対して「自分はできて当たり前のことができない」という劣等感を植え付け、さらなる自己肯定感の低下を招く危険性があります。
また、他の子どもと比較することもやめた方がいいです。
一人一人の子どもの発達のペースや不安の程度は異なります。比較によって子どもを追い詰めることは、母子分離不安を悪化させる要因となります。
「甘やかしている」「躾ができていない」といった周囲からの意見に流されて、厳しい対応をとることも避けるべきです。
母子分離不安は子どもの心理的な問題であり、厳しさで解決できる問題ではありません。
小学生で母子分離不安が起きる原因
小学生で母子分離不安が起きる原因を、いくつか解説します。
学校環境のストレス
教室での人間関係やいじめ、学習の困難さなどが、母子分離不安の引き金となることがあります。
特に、クラスメイトとの関係がうまくいかない場合や、授業についていけない場合は、学校という場所自体に強い不安を感じるようになります。
また、教師との相性が合わない、給食や体育などの特定の活動に対する不安、テストへのプレッシャーなども要因となることがあります。
家庭環境の変化
引っ越しや転校、両親の離婚、きょうだいの誕生など、家庭環境の大きな変化が母子分離不安のきっかけとなることがあります。
特に発達障害を持つ小学生にとっては、慣れ親しんだ環境や日常の変化が大きなストレス要因となり、その結果として親への依存が強まることがあります。
トラウマ体験の影響
過去の辛い体験が、母子分離不安の原因となることがあります。
例えば、学校でのいじめ被害、事故や怪我の経験、家族の重病、大きな災害の経験など、子どもにとって心理的な衝撃となる出来事が背景にあることがあります。
これらの経験により、子どもにとっては、安全な場所としての家庭と親の存在がより重要になります。
親が子どもに対して不安や心配を抱えている
親自身が強い不安や心配を抱えている場合、それが子どもに影響を与えることがあります。
例えば、親が過度に子どもの安全を心配したり、学校や外出に対して不安な気持ちを表現したりすることで、子どもも同様の不安を感じるようになることがあります。
これは決して親を責めるものではありません。家族全体のサポートが必要です。
また、親が家庭以外の居場所を見つけること、誰かに辛さを共感してもらい、メンタルを回復すること、カウンセリングや自動精神科医など第3者にサポートしてもらえると、状況が改善することが多いです。
発達特性による影響
ASDやADHDなどの発達特性が、社会で生きる上の困りごとが生まれ、それが母子分離不安を引き起こす要因となることがあります。
感覚過敏による環境への適応の難しさ、社会的コミュニケーションの困難さ、注意力や衝動性のコントロールの課題などが、不安を高める原因となります。
小学生で母子分離不安が起きた時の親の対処法
子どもの気持ちに寄り添う
「離れるのが怖い」「学校に行くのが不安」。
そんな子どもの気持ちを、まずはしっかりと受け止めてあげましょう。
「怖かったね」「不安だったんだね」と、優しく声をかけながら、子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。
小さな心の中で渦巻く不安な気持ちを、子どもなりの言葉で表現できるよう、ゆっくりと話を聞いてあげましょう。
「あなたの味方だよ」という気持ちが伝われば、子どもは少しずつ安心感を取り戻していきます。
安全な居場所を見つける
学校以外にも、子どもが安心して過ごせる場所はたくさんあります。
フリースクールや習いごとなど、学校以外でも社会と繋がれる居場所を用意することはおすすめです。
Branchコミュニティのようなオンラインの居場所では、同じような不登校や発達障害などの経験を持つ子どもと出会えます。「こういう思いをしているのは、私だけじゃないんだ」という発見は、子どもにとって安心感になります。家庭以外にも安心できる居場所ができると、子どもも親から離れやすくなります。
段階的にチャレンジする
一度に大きな一歩を踏み出すのは、誰だって怖いものです。
例えば、もし子どもが家から出られない場合だと、最初は母親と一緒に近所を散歩するところから始め、徐々に子どもが好きなところへ行ってみる、保健室へ登校するなど、段階的に慣れていくのがおすすめです。
そして、親がどんな小さな進歩も温かく認めてあげることで、子どもは少しずつ自信をつけていきます。
専門家との連携
一人で悩まないでほしいです。
心理カウンセラーさんや発達支援の専門家、自動精神科医など、親子を応援してくれる専門家がいます。
専門家に相談することで、子どもに合った具体的なアドバイスをもらえたり、親としての不安や悩みも軽くなったりします。
「専門家に相談する」というのは、決して特別なことではありません。
他人に頼りながら、情報をもらいながらの子育ての方が、不安感も少なくなり、おすすめです。
「好き」を発見して、育む。
子どもの「好き」を発見して、育んであげることもおすすめです。
ゲームが好き、プログラミングが好き、絵を描くことが好き、音楽に夢中になる、料理に興味を持つ…。
そんな子どもの「好き」を見つけて、それを大切に育んであげましょう。好きなことを持つと、それを通じて友だちができたり、社会とつながることもあります。
それは子どもが親から離れることにつながっていきます。
親のメンタルケア
母子分離不安に対応する親自身も、適切なサポートとケアが必要です。
親の会やカウンセリングの利用、趣味の時間の確保、友だちに愚痴を聞いてもらって共感してもらうなど…親自身のメンタルヘルスケアも重要な対処法の一つです。
【体験談】母子分離不安が終わるきっかけ
実際に母子分離不安はどのようにして終わったのか、Branchの体験談をまとめました。
不登校になりたての頃、どこにもいかないでほしいと泣かれました。
癇癪も1日に何度も起こしました。悩んだ末、私は仕事を一旦辞めてしまいました(私自身のメンタルもおかしくなりメンクリに行きました)。
一年半経過する中でだんだん一人で外に出て行ったり、フリースクールで過ごせるようになってきました。
少しずつ時間をかけて、という感じだったので親の苦しさも急に抜けた感じはなく、なんとなく気がついたら(距離を取っても平気そう?かも?)…という感じでした。
漢方などの薬も処方してもらいました(癇癪に対して)。今は癇癪も随分減り、母子分離不安に関しては何も問題なくなりました。
元々甘えん坊なタイプではありましたが、行き渋りが強くなった頃から母子分離が難しくなりました。
1歳から保育園で(加配なし)過ごしてきたので、集団生活でたくさんつらい思いをしたり、我慢してきたことも積み重なって今の状態に繋がっているのかなと思います。
今の子どもにとっては、「親がそばにいない状態で人と関わること」=「嫌なことや悲しいことが起きる(そして助けてくれる人がいない)」ということのようです。
なので、甘えたい時はできるだけ甘えさせてあげよう、離れないで一緒にいてと言われたら一緒にいよう、という方針で接しています。そうするようにしてから、心なしか少しずつ離れられる時間ができてきたような気がします。
まずは、本人の、その時の気持ちを優先するようにしてます。
元は、ママを独占したい気持ちが強かったのですが、最近は、何かに挑戦する前にエネルギーを貯める為に、自分を細やかにみて褒めて欲しい、認めて自信を持たせてほしい、という欲求に変わってきたように思います。
母子分離不安があった頃は、朝から晩までずっと一緒、トイレも一緒、隣でずっとYouTubeの音声が聞こえてきて、本当に私のメンタルが限界でした。
ゲームを一緒にやったり、漫画の読み聞かせをしたり、アニメや映画を一緒に観たり…とにかく息子の楽しめる事を一緒にしました。
その後Branchに入り、少しずつお友達ができ、「ゲーム下手なお母さんと遊ぶより友達と遊んだ方が楽しいぞ。ギャグも友達と言い合った方が盛り上がるぞ。」と気づいた頃から、私から離れてゆき、お友達とケラケラ笑いながらお喋りする時間が増えてゆきました。
5年生になる頃「自分の部屋が欲しい」と言い出したのをきっかけに息子の部屋をつくり、ゲームは自室でするようになりました。
(「自分の部屋で一人で寝る」と宣言しチャレンジしましたが、それは1週間ほどで断念しました 笑)
今は部屋で楽しそうに過ごし、お友達とオンラインで遊んでいる時は「あっち行って!会話を聞かないでね!」と親を遠ざけ、子ども同士の会話を楽しんでいるようです。
まとめ:母子分離不安は子どもからのSOSサイン
母子分離不安は決して「甘え」や「わがまま」ではありません。
むしろ、お子さんからの大切なSOSサインとして受け止める必要があります。
特に小学生の場合、言葉で上手く表現できない不安や悩みが、母親との分離不安という形で表れることがあります。
発達障害のあるお子さんの場合、環境の変化への敏感さや、コミュニケーションの難しさから、より強い不安を感じることもあります。このような場合、お子さんの特性を理解し、適切なサポートを行うことが大切です。
また、親御さんも一人で抱え込まず、同じような経験を持つ仲間や専門家に相談しながら、ゆっくりと前に進んでいってください。お子さんの小さな変化に気づいたり、悩んだり…それらを共感しあえる仲間がいることは、きっと大きな支えになるはずです。
焦らず、お子さんのペースを大切にしながら、温かく見守っていきましょう。
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この記事を書いているBranchは、不登校・発達障害のお子さま向けの「学校外で友だちができる」Branchコミュニティを運営していて、以下のような特徴があります。
- 「学校行きたくない」という気持ちを抱え、家族以外の人との関わりが減ってしまった不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
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