
こんにちは。不登校や発達障害のお子さんのオンラインの居場所、Branchの中里です。
小学生になっても、お母さんと離れられない。
朝は「行かないで」と泣き、家ではトイレにまでついてくる。
そんな母子分離不安で、親のほうが動けなくなっている保護者さんは少なくありません。
先に答えを書くと、私たちがBranchで見てきたことは、この3つです。
- 母子分離不安は「甘え」ではなく、お子さんの不安のサインです。学校が不安だから、いちばん安心できるお母さんから離れられない、という順番のことも多いです
- 無理に引き離すより、お母さん以外にも「この人となら大丈夫」と思える相手を、少しずつ増やしていくほうが近道でした
- ずっと続くわけではありません。ただ、終わり方は「気がついたら離れられていた」というゆっくりしたものが多いです
この記事では、母子分離不安の小学生に見られる様子、発達障害との関係、やめたほうがいいこと、親ができることを、Branchの保護者さんの体験談とあわせてまとめました。
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母子分離不安とは?
母子分離不安とは、お子さんが保護者と離れることに強い不安を感じて、離れるのを嫌がる状態のことです。
幼い時期にはよくあることですが、小学生になっても強く続くと、登校や親の外出・仕事が難しくなり、親子ともにしんどくなっていきます。
小学生の母子分離不安で、よく見られる様子
- 朝になると「お腹が痛い」「頭が痛い」と体の不調を訴える
- お母さんの姿が見えなくなると、泣いたり怒ったりする
- 学校で保健室に行きたがる、「お母さんに電話したい」と言う
- お母さんが出かけようとすると激しく泣く、服をつかんで離さない
- 一人で寝られない、トイレやお風呂にもついてくる
これらは、わがままではなく、お子さんが本当に不安を感じているサインとして受け止めてあげてください。
「お母さんから離れられないから学校に行けない」の?
よく誤解されるのが、ここです。
Branchのポッドキャスト「おはようラジオ」で、パーソナリティの保護者さんが、こんな話をしてくれました。
行き渋りから不登校に入る直前、お子さんの不安がとても強く、お母さんから離れられなかった。
そのとき学校の先生からは「お母さんから離れられないから、学校に来られないのでは」と見られていて、自分でも「そうなのかも」と悲しくなっていた。
でも、通っていた児童精神科のお医者さんには「違う、逆だよ」と言われたそうです。
学校が不安だから、今はお母さんと離れられない。母子分離不安だから学校に行けない、と考えるのは順番が逆だ、と。
その言葉に、すごく救われたと話していました。
もちろん、お子さんによって事情は違います。
ただ、「親が離れられないようにしているから」と、お母さんが自分を責める必要はない、ということは知っておいてほしいと思います。
▶ 【おはようラジオ#362】「母子分離不安が強く、ずっと一緒にいる形で私が大変です。どうしていけばいいでしょうか?」
母子分離不安と発達障害の関係
発達障害のあるお子さんは、学校や集団の中での困りごとが重なりやすく、それが母子分離不安につながることがあります。
ASD(自閉スペクトラム症)の場合
ASDのあるお子さんは、環境の変化や先の見えない状況に、強い不安を感じやすいことがあります。
席替えや新しい活動、教室の音や光、給食のにおいなど、学校には負担になる刺激がたくさんあります。
そのぶん、いちばん安心できる「安全基地」であるお母さんから離れることが、より怖くなることがあります。
ADHD(注意欠如・多動症)の場合
ADHDのあるお子さんは、授業に集中しにくい、友だちとのトラブルが起きやすいなど、学校で失敗した経験が重なりやすいことがあります。
また、気持ちのコントロールが難しいことがあり、離れるときの不安や焦りが、強く出やすいこともあります。
発達障害の診断がなくても、学校で疲れ切っている、嫌な思いが積み重なっている、というお子さんは同じように不安が強くなります。
大事なのは診断名よりも、「この子は今、何が不安なのか」を見ていくことだと思っています。
母子分離不安の小学生に、やめたほうがいいこと
- 「学校に行かないと将来困る」「みんなは行けている」といった声かけや、無理に登校させること。不安がさらに強くなり、「自分はできて当たり前のことができない」と、お子さんが自分を責めるようになります
- きょうだいや、ほかの子と比べること。不安の強さも、離れられるようになるペースも、一人ひとり違います
- 「甘やかしている」「しつけができていない」という周りの声に押されて、急に厳しくすること。母子分離不安は、厳しくすれば治るものではありません
学校に行きたくないと言われたときの対応は、こちらにまとめています。
▶ 「学校に行きたくない」と子どもに言われたら。いじめも理由も分からないときの親の対応
親ができることは?
まずは、気持ちを受け止める
「怖かったね」「不安だったんだね」と、まずはお子さんの気持ちを受け止めてあげてください。
体験談にもありますが、甘えたいときはできるだけ甘えさせる、と決めてから、少しずつ離れられる時間が出てきた、という保護者さんもいます。
お母さん以外に「この人となら大丈夫」を増やす
おはようラジオでは、パーソナリティの保護者さんが、お子さんの母子分離不安が和らいだきっかけを話してくれました。
小学1年生の春に不登校になり、お母さんと離れられず、犬の散歩も早朝や夜中にこっそり行っていた時期があった。
秋にBranchを使い始め、オンラインのメンターさんと、お子さんが大好きなマインクラフトで遊ぶようになると、2回目くらいから「犬の散歩、行ってきていいよ」と言ってくれるようになった。
その後、オンラインでメンターさんとつながっていれば、30分から1時間、長いときは3時間くらい、お留守番ができるようになった、と。
別のパーソナリティの保護者さんは、ベビーシッターさんや、市のファミリー・サポート・センターの方、市のメンターさんにも家に来てもらっていたそうです。
最初はその人とお母さんが一緒に過ごすところから始めて、少しずつ離れる時間を長くしていった、と話していました。
不登校になると、家から出られなくなるお子さんも多く、安心できる相手が家族だけになりがちです。
お母さんだけが安心の場所だと、どうしてもお母さんにすべてが集まります。
頼れる先がほかにもいくつかあると、お母さんほどではなくても、少しずつ離れられる時間ができていきます。
ただ、家に人が来るのが苦手なお子さんもいます。探り探りで大丈夫です。
▶ 【おはようラジオ#226】母子分離不安から脱したのは、Branchきっかけ
小さな一歩から、段階的に
一度に大きく離れようとすると、お子さんも親も苦しくなります。
家から出られないなら、まずはお母さんと一緒に近所を歩く。好きな場所に行ってみる。保健室に少しだけ行ってみる。
どんなに小さな一歩でも、できたことを一緒に喜んであげてください。
「好き」をきっかけにする
上の体験談のように、お子さんの好きなことは、お母さん以外の人とつながるきっかけになります。
ゲームでも、絵でも、工作でも。好きなことを一緒に楽しめる相手ができると、お子さんのほうから少しずつ離れていくことがあります。
専門家に相談する
児童精神科、発達支援の専門家、スクールカウンセラーなど、親子を応援してくれる人がいます。
上のラジオの話のように、学校とは違う見方をもらえることで、親が楽になることもあります。
親自身が休む
母子分離不安のお子さんと、ずっと一緒にいるのは、どんなにかわいい我が子でもしんどいです。
お母さんが限界になる前に、使えるものはどんどん使ってください。
▶ 不登校の子のお母さんは子どもに付きっきり。適切な休息時間を確保するための母子分離について
▶ 不登校の子どもを持つ親の「しんどい気持ち」をラクにする考え方や具体的な方法
【体験談】母子分離不安が終わるきっかけは?
Branchの保護者さんに、母子分離不安がどうやって和らいでいったかを聞いた声です(原文のまま)。
保護者さんの声
不登校になりたての頃、どこにもいかないでほしいと泣かれました。
癇癪も1日に何度も起こしました。悩んだ末、私は仕事を一旦辞めてしまいました(私自身のメンタルもおかしくなりメンクリに行きました)。
一年半経過する中でだんだん一人で外に出て行ったり、フリースクールで過ごせるようになってきました。
少しずつ時間をかけて、という感じだったので親の苦しさも急に抜けた感じはなく、なんとなく気がついたら(距離を取っても平気そう?かも?)…という感じでした。
漢方などの薬も処方してもらいました(癇癪に対して)。今は癇癪も随分減り、母子分離不安に関しては何も問題なくなりました。
保護者さんの声
元々甘えん坊なタイプではありましたが、行き渋りが強くなった頃から母子分離が難しくなりました。
1歳から保育園で(加配なし)過ごしてきたので、集団生活でたくさんつらい思いをしたり、我慢してきたことも積み重なって今の状態に繋がっているのかなと思います。
今の子どもにとっては、「親がそばにいない状態で人と関わること」=「嫌なことや悲しいことが起きる(そして助けてくれる人がいない)」ということのようです。
なので、甘えたい時はできるだけ甘えさせてあげよう、離れないで一緒にいてと言われたら一緒にいよう、という方針で接しています。そうするようにしてから、心なしか少しずつ離れられる時間ができてきたような気がします。
保護者さんの声
まずは、本人の、その時の気持ちを優先するようにしてます。
元は、ママを独占したい気持ちが強かったのですが、最近は、何かに挑戦する前にエネルギーを貯める為に、自分を細やかにみて褒めて欲しい、認めて自信を持たせてほしい、という欲求に変わってきたように思います。
保護者さんの声
母子分離不安があった頃は、朝から晩までずっと一緒、トイレも一緒、隣でずっとYouTubeの音声が聞こえてきて、本当に私のメンタルが限界でした。
ゲームを一緒にやったり、漫画の読み聞かせをしたり、アニメや映画を一緒に観たり…とにかく息子の楽しめる事を一緒にしました。
その後Branchに入り、少しずつお友達ができ、「ゲーム下手なお母さんと遊ぶより友達と遊んだ方が楽しいぞ。ギャグも友達と言い合った方が盛り上がるぞ。」と気づいた頃から、私から離れてゆき、お友達とケラケラ笑いながらお喋りする時間が増えてゆきました。
5年生になる頃「自分の部屋が欲しい」と言い出したのをきっかけに息子の部屋をつくり、ゲームは自室でするようになりました。
(「自分の部屋で一人で寝る」と宣言しチャレンジしましたが、それは1週間ほどで断念しました 笑)
今は部屋で楽しそうに過ごし、お友達とオンラインで遊んでいる時は「あっち行って!会話を聞かないでね!」と親を遠ざけ、子ども同士の会話を楽しんでいるようです。
母子分離不安は、いつまで続く?
おはようラジオでは「母子分離不安が一生続くことは、まずない」という話が出ました。
年齢が上がるにつれて、だいぶ和らいでいくことが多いです。
ただ、体験談にあるように、終わり方は「ある日突然」ではなく、「気がついたら、距離を取っても平気そうかも?」というゆっくりしたものが多いです。
その間、親のしんどさも急には抜けません。
だからこそ、終わるのを待つだけではなく、親が休める時間を、今のうちから少しずつ作っておいてほしいと思います。
まとめ
母子分離不安は「甘え」ではなく、お子さんの不安のサインです。
無理に引き離すよりも、お母さん以外に安心できる相手や場所を少しずつ増やしていくことで、離れられる時間ができていきます。
一人で抱え込まずに、頼れるものは頼ってください。
同じ経験をしてきた保護者さんの話を聞くだけでも、少し楽になることがあります。
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- 子どもが安心できるメンターと、1対1で好きなことを好きなだけ楽しむ「好きなことプログラム」
- オンラインツールをつかった、学校外で友だちができるコミュニティサービス「好きなことコミュニティ」
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もある。
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