こんにちは。
『「好き」で自信を創り、「好き」で社会とつながる』をビジョンに、発達障がい児向けのメンターマッチングサービスと教室運営をしているBranchの中里です。
ここ数日、小学生の不登校について主にTwitter界隈で議論が巻き起こっています。
いろんな意見が出ていますが、僕は主にファクトメインで色々とnoteに残しておきたいと思います。
数字的なところをスタートに、僕が過去に面談した300人程度の保護者の方から聞いた不登校の理由を記載していきます。
不登校の人数と割合
学校種別に見ていくと、小学校は3万5032人(同4584人増)、中学校は10万8999人(同5764人増)と、どちらも5000人前後増えています。
また、全児童生徒に占める不登校の割合は、小学校で0・54%、中学校で3・25%となっていますので、小学生184人に1人、中学生30人に1人が不登校ということになります。
ちなみにこの文科省さんが出している人数と割合は「月に1度も行けなかった生徒」のみが対象になるため、実はもっともっといます。
Branch roomには
「週に1-2度だけ学校に行く。」
「先週は頑張ったけど、今週は行けなかった。」
みたいな子がむしろ多いですが、こういった子は上記の数字に入ってきません。
国のスタンスについて
「小学校は義務教育だから絶対行かないと駄目だよね」みたいな論調も結構ありましたが、国としては少しスタンスが変わってきています。
2016年に教育機会確保法というものができていて、むしろ不登校児には無理に通学させないで休養させてね、という方向になってきています。
(本当はもっと踏み込んだ、ホームスクーリング/フリースクールを肯定する方向に舵をきることを期待されていましたが、ギリギリで骨抜き法案になってしまいました。)
この辺りは法案が出た当初、Twitterやnewspicksなどで結構議論されていましたので、こちらもリンクを貼っておきます。
なので、どちらかというと徐々にではありますが「学校外の学びも認められていくべきだよね」って感じに変化しつつあります。
例えばアメリカだと
学校に行かずに家で学ぶホームスクーリングはアメリカが非常に進んでいて、州ごとに細かな法律は違うものの全州で合法となっています。
州にもよりますが、親が市の教育委員会に家庭で行う授業計画を提出して許可を得ます。
その計画がきちんと達成されたかも見られるので管理もされていますし、長期間ホームスクーリングをする子もいれば、短期間ホームスクーリングをする子もいて柔軟性があります。
個人的には、ホームスクーリングを導入するには、日本のように年齢ごとで学年が上がっていく形だと難しくて、学校に通ってる子も含めて飛び級的なものもセットで動かないと難しいのかなと思っています。
小学校1年生で高校クラスの科目を学んでいる子とかは僕が知る限りでもザラにいて、そういう子たちを年齢が一緒だからと同クラスにしていること自体が問題を生んでいるな、と。(んじゃ、その解決方法は?となると、今回の話からズレていくのでここでは省略。)
なお、本だと下記の本が詳しいです。
『才能の見つけ方 天才の育て方』
タイトルがあれですが、前半ギフテッドについて様々なアメリカの事例が載っており、後半にアメリカのホームスクーリングについて詳しく載っています。(「アメリカすげー」的な本なので、好みはあるかと思いますが事例集としては優れているかと。僕はとても参考になりました。)
不登校になるお子さんの理由
長々と書いてきましたが、ここからは僕がBranchの面談で聞いたお子様の不登校理由をザーッと記載していきます。
※個人が特性されないように少しだけ編集して記載します。
Aさん
・できないことも多く、初めての場所に緊張したり、手先が不器用
・先生の声が大きく、強引なところが元々苦手でたまに休む形に。
・その後も先生から強引な感じで「来れるよね!」みたいな圧があって、ますます行けなくなった。
・先生恐怖症と本人は言っている。
Bさん
・小学校1年生の1学期に些細なことから先生に叱責され、その場で倒れて高熱を出し、それ以来6年間学校に行っていない。(僕はこれは虐待だと思っています。)
・不登校になってから緘黙になり、親以外とは誰とも話していない。
Cさん
・集団が苦手。喧嘩が起こるのが嫌。なので、学校に行きにくい。
・住んでいる地域的に喧嘩などが良く起こる。
・もう2年ほど学校に行っていない。
・休んでいる期間が長いので、「みんなに会わせる顔が無い」と言っている。
Dさん
・発達障がいで集団行動が非常に苦手。「クラス単位で動く授業は拷問のように感じているだろう」と、お医者さん談。
・本人は勉強に対する意欲もあり、知的にも非常に発達している。
・将来的に「好きな授業だけ行けたらな」と話している。
Eさん
・学校は行ったり行かなかったり。
・小学校低学年時に海外生活。その頃にローカルの学校に行っており、言語も流暢ではなかったため、変な目で見られたりして、それが「学校=苦手」になったのではないかと保護者の方は思っている。
・場面緘黙。
Fさん
・小学校二年生の時に担任と合わず、学校へは行っていたが廊下や保健室にいた。
・三年生で合う先生に出会えて通いだしたが、また最近不登校に。
・不規則な音や雑踏が苦手で、匂いも過敏。それが理由になっているのではないか?
Gさん
・小学校1年生の最初の頃から「学校に行きたくない」と行ったり行かなかったりの状況になった。
・本人は「ドキドキするから行きたくない」と言っている。
・検査で学習障がいの可能性があると言われ、文字を読んだり書いたりに苦手意識があり、それで周りと比べてしまい、学校が苦手になったのではないかと思われる。
・1対1は大丈夫なので、担任の先生や校長先生と1対1で話したりはしている。
Hさん
・自閉症、ADHDと診断されている。
・幼稚園の頃は全く他者との関わりで問題はなく、親も共働きで全く気づかなかったが、小学校二年生の二学期に突然「学校に行きたくない」と本人が言い出した。
・知的な遅れはなく、おそらく発達特性によるものが原因だと思われ、お医者さんにも相談しながらどうするか考え中。
・環境さえあえば、問題なく学校にも通いそう。
Iさん
・小学三年生で不登校。
・直接的な原因が分からないが「疲れた」と言っている。
・学年あがったとか、板書が間に合わないとか、音がうるさいとか、環境面の変化などがおそらく原因だろうと思われる。
Jさん
・発達障がいで、支援級に行っていた。
・過去二回、普通級と通級から元気な子が来た際に不登校になった。
・支援級なのにできないことをどんどんやらされて自己肯定感がさがっている。「もう鉛筆持つもの嫌だ」と本人は言っている。
・不登校になってから、心は徐々に落ち着いてきた。
Kさん
・帰国子女で帰国後の1年は理解のある先生で問題なく登校。
・その次の年の先生から人権侵害のような言動を何度もされて、学校に行けなくなった。
・英語で教育を受けており、そのことについて度々みんなの前でいじられた。
Lさん
・特別支援学級に行っている小学校1年生。
・突然不眠になり、現在は学校に行っていない。
・書字の問題や、音が苦手など、様々なことに過敏でそれが原因で不眠になったと思われる。
Mさん
・担任の先生が怖くて、繊細なことがあって怖くて行けなくなった
・フリースクールなどの見学に行ったことが一回行って、入園しようとなると最初の登校日になるといけなくなった。
・不登校専門の自宅に来てくれるサービスを使ったことがある。3-4回来てもらったが馴染めなかった。来る方も元不登校の方ですごく気を使う、うちの子も気を使う、お互いに気を使いすぎてたのかもしれない。
Nさん
・住んでいる地域の公立の学校はまだ発達障がいへの理解が遅れている。
・本人が選択できる幅がある私立中学受験をめざしてがんばっていたが、起立性調節障がいを発症、急に全てのやる気がストップ。
・頑張って行っていた塾もやめることになった。
Oさん
・ずっと座っていたり、ずっと話を聞いたりが苦手
・転居もあり、転園したりもあった
・高機能自閉症と診断
・通級に最初入った。母子分離ができなかった。支援級の提案もあったが本人の認識として「学校」と一括りになってしまい、結局駄目だった。
Pさん
・4月から不登校
・原因は男の先生が担任で、怖いとのこと。
・その先生は人気先生で、お母さまは「やったー」と思った。親の認識とズレている部分があり、自信がなくなった。
Qさん
・ADHDの診断を受けている
・元気がありあまりすぎて、周りに嫌がられたり他害があったりして不登校に
・最初は学校に変わるところを探していたが、現在は家の中でできることも多いと気づいて色んな学びの機会を検討中
Rさん
・コロナの影響もあり2020年2月からあまり学校に行けていない
・コロナは移動する大人のせいだと思っている。大人が嫌いになりかけている。
・学校の細かいルールなどを守るのが嫌い
・友だちに会えない寂しさとオンライン授業の受け身な感じにうんざりしている
ザーッと、面談でお聞きした内容を記載してみましたがいかがでしょうか?
様々な理由がありますし、昔ながらの考えの方から見ると「甘い!もっと頑張れ!」と思う方もいるかと思います。
僕自身は、学校に無理していって自己肯定感がなくなったりするくらいだったらまずは休養をして、サードプレイスを探していくのが良いのではないかと思っています。
発達障害や不登校の子の「友だちができる。安心できる居場所」とは?
Branchでも1つの解決策として、不登校・発達障害があるお子さま向けの「学校外で友だちができる」オンラインフリースクールを運営していて、以下のような特徴があります。
- 「不登校」や「発達障害」で悩まれている保護者の方達がなんでも自由に悩みや困りごとを相談できる安心できるコミュニティや、家族以外の人との関わりが減ってしまった不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
Branchオンラインフリースクールは1ヶ月無料体験ができるので、ご利用を迷われている方は一度お気軽に無料面談予約をお申し込みください。