発達障害や不登校のお子さんを持つ保護者の方々は、どんな悩みを抱え、どんなふうにお子さんと関わっているのでしょうか。

発達障害・不登校の親子向けにオンラインコミュニティやメンターサービスを運営するBranchでは、サービスをご利用の保護者のみなさんにインタビューを行い、これまでのご経験を詳しくお聞きしています。

この記事では、現在小学2年生のお子さんの保護者の方にお話いただいた内容をご紹介します。

 

子どものプロフィール

子どもの年齢:7歳・小学2年生
不登校の期間・様子:小学校1年生の6月末以降から不登校に。現在も自宅で生活。
発達障害の診断・特性:医師からASD(自閉スペクトラム症)と診断

うちの子は好きなことがたくさんあるタイプです。

まずは、生き物。
飼っている昆虫や、生き物(カマキリ、ゲンゴロウ、カニ等)の観察が好きで、昆虫図鑑や昆虫を扱うYouTubeを観ることも好きですね。

電車も好きで、Branchの鉄道部のオンラインイベントにもよく参加しています。


あとは、「シンクシンク」という知能系のゲームアプリにはまっていて、毎日やっています。
算数や漢字のゲームアプリも時々しています。
バランスボールも好きみたいで、独り占めしていることが多いです。

生き物に関しては、一昨年クワガタを1匹買ってもらって、それが長生きしたのがきっかけで好きになりました。

カブトムシの幼虫から育てたり、育てる過程でカブトムシ用のゼリーをホームセンターに買いに行ったりしてハマっていきました。


逆に苦手なのは、大きな音ですね。よく物音や声でびっくりしています。
また、同じことの繰り返しも嫌いなので、以前やっていた公文とかはダメでした。

 

不登校になったきっかけ

不登校のきっかけは…聴覚、嗅覚過敏なため、子ども達のザワザワした雰囲気が苦手となり、校舎、教室に入ることへの拒否反応が出ました。
給食の匂いも嫌で、偏食で食べれる物が限られている中で、先生に「1つでもいいから食べて」と言われたことが辛かったらしく、ずーっと覚えているようです。
さらに、コロナ対策でマスクしなきゃいけない。本人は学校は菌だらけだから入れないと言っています。
今振り返ると、息子にとって人生初めての学校は苦痛と不安でしかない場所だったように思えます。

行き渋っている時もけっこう大変でした。自分で頭叩いたりとか。
学校行かなくていい、となって穏やかな生活になりました。

 

不登校になってからの保護者の対応

学校に行かなくなって家から出たくなくなったのですが、なぜか私の友だちとLINEのテレビ電話でしゃべるのが好きで、多い時は1日で3人と話す、みたいな日々でした。
大人の輪の中で中心になって話していたい、って感じですかね。

それをイギリス在住で探究学舎さんを利用している友人に話すと、こういう所もあるみたいよと教えてもらったのがBranchさんでした。


私自身でいうと、いわゆる先輩ママに相談したりしてました。
息子と同じASDのお子さん(中3)がいる大学時代の友達とか。

他にも東京の療育アドバイザーさんを紹介してもらったり、お医者さんを紹介されたり、カウンセリングも紹介してもらいました。
自分で調べても分からないんですよね。神戸在住なのですが、神戸にはあまり相談先がないんですよ。Branchのようなオンラインサービスも神戸にはないんです。

 

現在の過ごし方

現在はBranchの他に放課後等デイサービスを同じ市内で2つ利用しています。
どちらもオンラインです。

1つ目の方は、その日に何を話すか、テーマを決めて始まります。自分の話を10分して、相手の話10分聞いて、とか。タイマーで10分測ってやっています。
最近はけっこう自由にしゃべってます。

あと、最後にいつもクイズをしていますね。「なんじゃこれクイズ」という、ぼやけた画像から段々くっきりの画像になっていく過程でその画像は何か当てる、という。いつも楽しんでやっているので、オススメです、このクイズ。

もう1つの放課後等デイサービスは完全に自由です。「ウンウン」と支援員さんの話を聞いているのですが、最近飽きてきたのか、「ママ喋って」と、私の方にやって来るようになりました。私も「飽きたら言ってね」と最初に言っていて、1回1時間のところが30分で終わることもあります。

他にも、一人では勉強したがらないのでオンライン家庭教師を利用しています。アルバイトの大学生とゲームやしりとりしたり。まぁここでもお話が中心です。

また、通級の先生に近所の川や祖父母宅マンションの庭に来てもらって遊んでもらっています。この先生との出会いは大きく、とても感謝しています。


Branchでは、継続的に色んなメンターさんと遊んでもらったり、オンラインコミュニティの部活に参加したりしています。

メンターさんは特にわっきーさんとゆっちさん、福崎さん(美大卒)に担当してもらうことが多いですね。他にも美大卒のれんさんとか。

いい意味で子どもの心を持っているというか、子どもの心を忘れていない大人の方との交流がちょうど良い気がします。

最初の体験プログラムがゆっちさんだったんですが、うちの子を認めてくれる、共感してくれるようなところが良かったです。一緒になって楽しめる感じの大人、がいいんだと思います。

あと「先生じゃない人」がいいみたいです。「あれしろ、これしろ」という指導っぽい言い方をされるとすぐ引いてしまうんですよ、うちの子は。

たまーにちょっと提案してくれるのがいいんです。
わっきーさんが特にそうだけど、「(オンラインコミュニティの中に)鉄道部作ってみたら?」とかって提案がすごい良かった。

オンラインコミュニティの部活動に関しては生物部、鉄道部、マイクラ部によく参加しています。


「カブトムシの幼虫をあげます、Branch roomで」と東京のママがオンラインコミュニティで書いているのをみて、行きたくなりましたね。
うちも家にカブトムシ幼虫が二匹いて、最近成虫になったんです。


スタッフの田村さんが生物部のイベントでタガメ食べるイベントを見たり、鉄道部はいつも鉄道に詳しいお兄さんが来てくれて、楽しんでます。

 

時間が経つなかでの子どもの変化

外に出歩けるようになってきたのがとにかく大きいですね。やっと最近落ち着いてきました。Branchでもいろんな刺激をもらったのかな。

生き物の写真を外で撮ってきて、Branchオンラインコミュニティの生物部に写真をアップすると田村さんから反応があるから、外に出たくなるみたいです。

「田村さんから反応あるかなー?」といつも気になってるんです。川に週に1回は行ってます。

あとは、科学実験のイベントで興味の幅が広がりました。ろうそく作ったりとか。今までは「何かを作る」というのに興味がなかったけど、想像意欲が湧いてきたかな?

あとは、ビデオチャットでの顔を変えられるSnap Cameraで遊んだのが楽しかったようです。パソコン慣れもしてきて、デジタルなものへの理解が進んだように思います。

 

子どもの未来について、保護者として願うこと

卒園式で1人ずつ将来は何になりたいか宣言する場面では、「建築家」と答えていましたが、昨日聞くと「うーん、YouTuber!」でした。

半年前に、私の友人に「大きくなったら何になりたい?」と軽く聞かれて「死にたい」と即答だったことを思い出すと、前進したかなぁと思います。

建築家は、当時自宅にリフォーム屋さん(建築士の方)がよく出入りしていて、作業を最初から最後までじーっと見てました。LEGOやカプラ(積木)で建物を作るのも好きでしたね。それが由縁だと思います。


写真は1年生の夏に完成した姫路城と、遊園地です。
たまたま自宅の修理に来られた建築士の方にこれを見せて「建築家になりたいって言ってるけど、どうしたらなれます?」と聞いたら、「好きなことしてればいいんですよ〜」と返されたこと思い出しました。


私としては、一人っ子なので、できるだけ色々な分野や世界を見て、人々に出会って、こういう生き方、こんな考え方もあるんだぁと感じてもらえたらなぁと思います。

どんな大人になってほしいか難しいですが、パッと浮かぶのは、イタリア人のような人です。細かいことは気にせず、その時その時を楽しんでいるイメージです。遺伝子的に難しいですけどね。

今思うのは、転んだ時自力で無理なら、誰かに助けを求めたりしてなんとか起き上がれる人にはなってほしいです。

相手に気持ちを伝えられる、困ったことを誰かに相談できる大人かなぁ。

それと、やはり、好きなもの、夢中になれるものを大切にしてほしいですね。

 

 

 


ライター&インタビュアー:中里祐次

Branch代表。早稲田大学卒業後、㈱サイバーエージェント入社。子会社の役員など約7年勤めた後にサイバーエージェントから投資を受ける形で独立。自分の子どもがレゴが好きで、東大レゴ部の方に会いに行った時に目をキラキラさせていたのを見てこのサービスを思いつきました。好きなことは、漫画やアニメを見ること、音楽を聞くこと、サウナ、トレイルランニング、かなり多趣味です。Branchの子どもたちに鍛えられて子どもが好きな遊びはたいていできるようになりました。