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不登校のリアルな保護者体験インタビュー①「子どもではなく、自分が変わる」

こんにちは。

不登校や発達障害のお子さんと保護者さんのための居場所、Branchコミュニティです。

今回は不登校のお子さんを持つBranchユーザーの方に、インタビューを行いました。

  • 子どもが行き渋りを見せた時、どのような対応をしたのか
  • 子どもの不登校、親としてどのように困って、どのように解決をして、どれが解決できないでいるのか
  • 子どもと接する上で、子育ての価値観がどのように変わっていったのか

不登校のお子さんを持つ方のリアルを語っていただきました。

目次

Branchインタビュー: みっちーさん

中里:
今回は、昔からBranchをご利用いただいてます、みっちーさんを呼ばせていただきました。みっちーさん、こんにちは。

みっちーさん:
こんにちは、お願いします。

中里:
みっちーさんはBranchをご利用されて何年ぐらいですか?

みっちーさん:
2020年の8月からだと覚えているので、3年半ちょっとですね。

中里:
Branchのオンラインのコミュニティが2020年の6月からなので、その直後という感じですね。

みっちーさん:
そうですね。やっと使える!みたいな感じでした。それ以前から代官山にあることは知ってたんですけど、通うのはちょっと難しい距離なのでオンライン!と思って入りました。

中里:
ありがとうございます。そんなみっちーさんにですね、ご家庭のことだったりとかBranchのことだったりとかっていうのを、いくつかお話を聞いていきたいと思っております。よろしくお願いします。

みっちーさん:
お願いします。

どんなお子さん?

中里:
まず最初に、お子さんについてお聞きしたいんですけれども、ざっくりでいいのでどんなお子さんですか?

みっちーさん:
兄弟2人いますが、下の次男を中心にお話できたらと思うんですけど、小さい頃から家の中では、とにかくずっと喋って動いてムードメーカー的な感じです。今は本当に元気になってきたので、ゲームをしながら1人で実況者さんみたいにずっと喋ってます。

中里:
ちなみにどんなものが好きなんですか?

みっちーさん:
小さい頃から考えていくと、ずっと生き物が好きだったのかな。家の中じゃ子供と一緒にいると辛かったんで、公園に毎日のように行ってて、あと実家が田舎なので春に行けば田んぼに何かしらの生き物がいるので、そういうのを捕まえたりしてました。

また、セミ捕りを毎年夏にやってました。セミが好きすぎて語尾に「ミンミンミーン」ってつけるようになったんです。「俺さミミーン」って。大丈夫かなって思ってたんですけど、大丈夫でした(笑)。

昔は虫が好きで、今でも実家に帰れば何かしら生き物がいるので、夕方とか虫取り網を持って、川とか田んぼに探しに行きますね。

あと今は、とにかくゲーム。YouTubeを流しながらゲームをひたすらやるのが、本人も好きだって言ってました。

あとサッカーは見るのもやるのも好き、漫画やアニメが好きで、その漫画やアニメの絵を描くのも大好きだって言ってました。

学校に行きたくなくなった理由

中里:
呼び方としてはS君と呼ばせていただきます。そんなS君なんですが、思い出すのももしかしたら辛いかもなんですが、何が理由でまず最初に学校行きたくないんだってなったのか覚えてらっしゃいます?

みっちーさん:
明らかなものは多分未だに本人も私も分かってなくて。

ですけど当時、ポツポツと本人が言ってたのは「学校の中で迷子になる」ってこと。移動教室とかの時に、自分の教室は分かるけど、移動したら景色も似たような風に感じるのか、迷子になっちゃうから怖いって言ってたこと。

あとは給食。本人は全部食べたいんだけど、どうしても食べれないものがあったりして、そういうのも言えなかったりしたのと、あとトイレの便座が冷たくて嫌だとか、そういう細々としたことは言ってました。

親として見てて思ってたのは、運動会とか発表会とか、人前で何かをして見せたりしなきゃいけない時に、その何ヶ月も前から「どうしようどうしよう」って不安で、こちらからはできているように見えても、当日が来るのが不安で仕方ないみたいな感じだったので、その辺りもやっぱりちょっと不安が強かったのかなと感じてました。

中里:
なるほど。学校生活の細々したものとか、あとは人前に立つこととかにちょっと不安があって。

どれか1個特定できるわけじゃないんですけれど、総合的ないろんな理由で行きたくないってなった感じですかね。

みっちーさん:
今回「インタビュー受けるんだ」って話してたら、「何でも話しなよ」って言ってくれて。

で、その質問だけ聞いてみたら、「なんだろう。何が嫌だったんだろう」って本人が言って、1個思い出して言っていたのは、1年生の夏休み明け頃から嫌だってなったんですけど、高学年と低学年がペアになって給食を食べたり遊びをしたりっていうのか、学校の制度的なものであったんですよね。

お兄さん的な立場の人に色々お世話してもらったりっていうのがあって、してもらう立場の時点でも嫌だってなったんですけど、自分が上の子の立場になることを想像したら、それがすごく嫌だったって言ってました。

中里:
普段の自分と違う立場に立つのが難しいんですかね。

みっちーさん:
なんですかね。でも自分より小さい子と遊ぶのがちょっと苦手とかは言ったりしますね。

登校しぶりを見せた際の、周りの反応は?

中里:
なるほどわかりました。
次の質問なんですけど、登校しぶりになった際なんですけど、みっちーさん含めた周りの反応っていうのは、どんな形でしたか?

みっちーさん:
やっぱり不安と焦りが、全面に出た反応だったかなと思います。

最初はなんとかして行かせようということだったり、学校の先生に相談して連れてきてくださいって言われたら、連れて行って。

でもそうすると泣いちゃっていて。

「来ちゃえば大丈夫ですよ」「楽しく過ごしてますよ」って学校の先生には言われて、私と別れる時はこんなに泣いていても、学校で過ごしちゃえば大丈夫なんだって。

でもすごいモヤモヤとして。帰ってきたら楽しかったって帰ってくるんですけど、次の日にはやっぱりまた泣けてきちゃうっていうので。

どうしていいかわからない葛藤がすごくありました。

子どもの不登校で親が困ったこと

中里:
ありがとうございます。
次また質問なんですけれども、お子さんが学校に行かなくなって、みっちーさん自身が困ったことでどんなことがありますか?

みっちーさん:
まず1人の時間がなくなるっていうことが、結構私は辛かったです。

あと学校には、「とにかく連れてきてください」と言われ続け、それが本当にこの子にとっていいのかどうかを相談できたりする場所、同じような境遇の方もいなかったっていうのが不安だったな。
それがあったらもうちょっと楽だったかもって思いました。

あとはとにかく学校に連絡することが辛かったので、何か電話じゃないやり取りとか、お互いが楽にできる手段があればありがたかったというのは、出せば出すほど色々あります。

一人の時間が取れない

中里:
今おっしゃった3つの困り事っていうものが、もしある程度解決されてるのであれば、どのように解決されたかとか、今どうなのかもお聞きしたいです。

まず1つ目のご自身の時間があまり取れないっていうことに関して、現状はどうですか?

みっちーさん:
現状も変わらずですかね。取れてないですね。

中里さん:
そのモヤモヤはずっとある感じなんですね

みっちーさん:
そうですね。
でもある程度年齢が上がってきて、本人も落ち着いて1人で遊べるようになったりとか、間食がとにかく減ったので、その辺りの負担がだいぶ減って、1人の時間がなくても、前みたいに苦しいとか、何としてでも1人の時間をっていうのはなくなりました。

今6年生で、今度中1に上がるんですけど、家で1人で居れる時間も、本人が家で待てる時間が増えたので、自分が外に行って1人になれるようになり、だいぶその辺りは楽になりました。

中里:
完全に解決ってわけじゃないんですけど、嫌な感触が0に近いぐらいになって、一緒にいても楽だったりとか、ご自身が外に出る1人で外に出る時間っていうのは取れるようになったよっていう感じなんですね。

相談先がない

中里:
そしたら2つ目の、「相談先がない」っていう不安のことなんですけど。

みっちーさん:
今は、Branchに入った時からご相談をさせてもらっていて、他の保護者さんたちも同じような状況の方々、こんなにいらっしゃるんだっていうのだけでも、だいぶ救われました。

あとは、兄弟共に学校に行ってないんですけど、先に次男が小学校1、2年生の時点で完全に登校を休ませますって学校に伝えて、その時には周りに同じような方がいらっしゃらなかったんですけど、最近は周りにも何名か「うちも最近行かなくなってね」ってお話ししてくれる方がいて、話せる方がリアルでも少しできました。その辺りもありがたいですね。

学校とのやりとり

中里:
分かりました、ありがとうございます。
じゃあ3つ目の質問。最初は学校とのやり取りがちょっと大変だったって話があったと思うんですけど、その辺は現在どうですか?

みっちーさん:
その辺りは、私自身が電話でお話しするっていうのが元々苦手で、でもどうしても当時学校とのやり取りが、電話をかけて「休みます」と伝える連絡方法しかなくて辛かったんです。

ただ、今長男の学校は、アプリができたりとか、メールでもいいですよって言ってくれて、電話以外の方法が取れるようになり、少し楽になりました。

あとは、こちらからご連絡をするまで連絡を控えてもらえますか?と、学校にお願いしたりして。自分も、電話のベルが鳴るだけでビクッとしてしまう精神状態なので、それもちょっとお伝えしつつ。

そしたら、必要な時はお電話いただくんですけど、それ以外は気を使っていただいて、だいぶ過ごしやすくなりました。

中里:
良かったです。コロナ中にアプリだとか、メールの連絡もオッケーという例が日本中で増えて来たりとか、教育機会確保法以降で、学校側でのやり取り、実は保護者さんの連絡のやり取りが大変なんだよ、みたいなことも、ちょっとずつ浸透してるのかと思います。

今回のみっちーさんみたいに、学校側にお願いをすると連絡自体を避けてくださるとか、対処してくださってる学校も増えてきてる印象は、僕もあるなと思います。

不登校の間にしていたこと

中里:
不登校の間はどんなことをしてましたか?

みっちーさん:
5年近くもうずっと家にいますけど、大体は家にいてゲームしてますかね。

やっぱりゲームが好きだっていうのと、最初は外に出るのも本人は嫌になっちゃったので、外にも出られない家でできる好きなことっていうと、ゲームなので。

あとは何してただろう。だんだんと元気が出てきて、とにかくジュースが好きだから、ジュースを買いにコンビニに行くっていうのは、できるようになってきました。

2人で歩いて3分ぐらいのコンビニに散歩に行くとかでも、そこのコンビニの店員さんにも「学校に行ってないので、平日、本人が1人で来たりするかもしれないんですけど親も知ってますので大丈夫です」って言って伝えたら、だんだんと本人が1人で行けるようになりました。

よく行ってたので、顔も覚えてもらいました。「自分で支払いもしてみたい」とか言い出して、最初小銭で払ってたんですけど、小銭に出すのめんどくさいって言い出して、交通系カードに切り替えるって言って、会計の煩わしさもそれでなくなったので、よりコンビニに行きやすくなりました。

コンビニは行けるようになったんですけど、また調子が悪くなったりとかがあるので、最近はまたちょっと1人でコンビニは行けなくなったけど、私を誘って行く、みたいな。

あとは、「最近中学生になるんだ」って、ここ1年、6年生になってからずっと言ってて、元気も出てきたのか、算数のドリルを6年生まで買って、これを4月までにやり遂げると言って日割計算して、そしたら1日2ページ半やればいいらしくて、それを自分で毎日やってます。

中里:
おお。

みっちーさん:
ちょっと疲れるんじゃないなんか、毎日やろうと思わなくてもいいんじゃないって言ったけど、いや毎日ノルマがあると言ってう〜んう〜んと唸ったりしながらもやってます。

中里:
今話を伺ってても、S君のいいところとか、できるところの話しか出てこないあたりが、すごい良くて、みっちーさんらしいなと思います。

学校に行ってなくて不安とかがあれど、「自分の好きなことがあれば、1人で外出するとかもあるんだ」とか、そういう気軽な気持ちで見守っていればいいんだなっていうのを、聞いてていいなと思いました。

「夜寝る時間が遅くなって…」とか、そういう話とかがあるのかなと思ったんですけど、「S君のこういうことができるになりました」、みたいなお話だけだったんで、視点がみっちーさんらしいというか、Branchっぽいというか、そういう感じに聞こえました。

「いいよ」と言えるきっかけ

みっちーさん:
でも何々ができないってずっと思ってたんですよ。それしか言わない時もありましたありました。それこそ、「ゲームなんてダメ」って言ってました。

中里:
何年前ぐらいの話ですか。

みっちーさん:
ゲームを解禁したのが、4年とか3年ぐらい前ですかね。それくらい前までは制限したり、子供に「いいよ」って言えなかったんです。

何を言われてもいいよって言ってあげれなくて、それに気づいた時に「あれ、私なんでいいよって言えないんだろう」と思って。

言ってあげたくても言えなくて、何これ??となりました。だから「いいよ」っていうカードを作ったんです。
「いいよ」って書いてある吹き出しのカードを作って、首にかけてたんです。



子供が「おやつ食べたい」って言ってきたら、「いいよ」って言えないんです。それでも「いいよ」って書いたカードを見せてを繰り返してて。そしたら子ども喜ぶじゃないですか。

そしたら別におやつ食べるのに許可もいらないなって思い出してきて 、「食べたいとこに置いてあるから好きな時に食べればいいよ」っていうのも言えるようになってきて。

よく考えたら、自分が許容してもらったり、親から「それでいいんだよ」みたいなことを言われてこなかったのかも。

それに気づいて、子供に対して、〇〇できないっていうのじゃなくて、意識が自分に向くようになりました。

「いいよが言えない自分は何なんだろう」ってなって、自分の子供を思い通りにしようとしてるなって思ったら、なんでそうなんだっけ?みたいな。

「子供は親の通りに動くんだっけ?」みたいなことを、振り返るようにしていったら、楽になりました。

親に「学校行きたくない」と言っても無駄だと思った

中里:
どうしてその転換点が来たんですか?

自分の方に課題を向けるというか、お子さんの課題じゃなくて、自分の方なんだ、となる転換点みたいのはあったんですか。

みっちーさん:
子供が生まれた時からずっと、自分の子供の時のことを思い出したり振り返るっていうことがしたくない、けどしなくちゃいけない…みたいな。そうじゃないと子育てをしてはいけないような感じがあって。

それでも人に言われたこととか、本に書いてあることとか、こうやれば育つんだとか、そういうのをすごい受け取ろうとしていろんな本読んだり、いろんな講演会を聞いたりしてたんですけど、それでも「なんか違う…」みたいなのがあって。

実は私自身も学校に行きたくなかったんです。

小中高とずっと行きたくなかったけど、それを親に言えなくて、皆勤賞でした。「なんで言えなかったんだろう」って考えたら、言っても無駄だって思ってたんです。

中里:
親に言っても無駄だってことね。

みっちーさん:
自分が学校に行きたくないから、親に言ったところで解決しないだろう、言っても無駄だって思ってたから、私は言わなくて。

未だに親になかなか本音を言えなかったりするんですけど、それってすごい苦しいなって思って。それで今自分はこんなに苦しんでるんだなと思って。

そう困った時に、「子供に頼ってもらえる存在でいたい」と思ったところがきっかけかもしれません。

喜んだりとか楽しんだりは、多分いろんな人とできますよね。お友達とか私じゃなくても多分できるんですけど、子供自身が困ったよとか、助けてよっていうのを、1番身近にいて安心できる場所で言ってほしいなと思ってから、そういう存在でいたいと思いました。

それにはどうすればいいかと思ったら、自分を変えたというか、自分の課題を解決していきたいと思いました。

話がぐちゃぐちゃしてますけど、なんで自分は親に言っても無駄だって思っちゃったのかと考えたら、「受け止めてくれる存在ではなかった」こと。

親のもとで育ててもらって、今、大きくなって人の親にもなっていますけど、なんで言っても無駄だって思っちゃったんだろ、なんで言えずにここまで来て、皆勤賞で学校行ってたんだろうって考えたら、「聞いてくれないな」って思ったっていうか、受け止めてもらえなかったからかもしれないです。

批判されたりとか、もっと頑張れとか、こうしてみたら?とか、それを言われたら多分崩れちゃうなっていうのがどこかであって。

ただ聞いて欲しかった、受け止めて欲しかったんですけど、それはこの人に言っても無駄だなって思っちゃってた悲しい自分がいたので。

自分はそうじゃなくて、この人に話して解決するわけじゃなくても、話していい存在なんだって、助けてっても言ってもいい存在なんだっていう風にいたいって思いました。

中里:
お子さんのことを考えた時に、みっちーさんが子供の頃にして欲しかったことをご自身のお子さんにしてあげたいっておそらく思って、ここ3、4年前に、子供に対する対応を変えていった形なんですかね。

みっちーさん:
そうですね。そのことが子供にとっていいかわからないですけど、自分はそうしたいなと思って、今やってるって感じですかね。

不登校になってから、元気になったタイミング

中里:
わかりました、ありがとうございます。続けてなんですけど、S君が不登校になってから元気になったタイミングは、どんなことがきっかけでしたか?

みっちーさん:
タイミング的には本当に最近なんですけど、半年ちょっと前ぐらいに引っ越しをして、それが安心の環境にたまたまなれたという感じで、引っ越して3ヶ月後ぐらいに本人が、「あれ、なんか緊張が取れてきた」って言ってたのを覚えています。

そこから本当にだんだんと変わってきて、引越したことが元気になったきっかけですかね。まず最初はイラストに集中して書き始めて。で書いたらそれを壁に貼って、壁一面なるぐらいの絵ができました。

その後、多分引っ越して半年ぐらいで本人が、「俺最近さ怒らなくない?」って言って。「前はゲームで負けたりすると怒ってたけど、最近怒らないよね」って本人が言ってきました。

私は感じてたんですけど、伝えずにはいて。「本当だね」って言ったら、特に何があったというのはないみたいなんですけど、怒ったって時間の無駄だし、怒ったっていいことない、みたいなことを言いました。そこはすごく減りました。

あと、胸が痛い、お腹が痛い、呼吸が苦しいとか色々な症状を日々言ってたんですけど、その辺りも本当にだんだんとなくなっていきましたね。

何をしている時が楽しい?

中里:
ちなみにS君は普段どんなことしてる時が1番楽しそうなんですか?

みっちーさん:
今だったらゲームで『アーク』っていう恐竜を捕まえるサバイバルゲームみたいなのをしてるんですけど、それに今はすごい楽しんでいて、それが思い通りに行くとすごい嬉しそうに報告してきます。

「ちょっと見て、すごいだろう」って言うんですけど。あんまりよくわかんないんです。

でも「頑張ったもんね!」とか言って。そういう感じですね。

ニュートラルな接し方を意識する

中里:
これも思いつけばでいいんですけど、S君に対して接し方で気をつけてることとか、どんな風に触れ合ってるか、接してるかっていうのをお聞きできればと思うんですけれど。

みっちーさん:
とにかく、あまり過剰に反応しないっていうのを心がけてるかなと。ニュートラルに接していたいなっていうのは日々思っていて。

そうすると、助けて欲しいとか、話を聞いてもらいたいとか、辛い時に声をかけやすい存在でいられるかな、と。

中里:
Branchのコミュニティの中で、結構そういう話してくださってるかなと思うんですけど、他の保護者さんもその辺心配してるというか、気をつけなきゃなって思ってらっしゃる方多いなって、いつも見て思ってます。

みっちーさん:
全然100%とかはできてませんが、意識するだけで違うかなと思ってます。

子どもが不登校になってから、親が変わるタイミング

中里:
S君が不登校になってから、みっちーさん自身が変わったなって思うタイミングって、どんな時がありましたか?
そのきっかけも一緒に教えていただけたら助かります。

みっちーさん:
明らかなきっかけはなくて、だんだんと不登校生活が馴染んでいった、みたいな感じだと思ってます。

学校に行きたくないって言われた時は初め不安だったし、どうしていいかわからなかったし、子供自身のことも心配でしたけど、

学校に行かないことで自分自身がちゃんとできてない、親に見られてるんじゃないかとか、周りの目は多分すごい気にしてて。

子供といつも一緒にいるのは自分だし、学校に行きたくない、家にいたいって泣いてることも知ってるんだけど、

やっぱり周りから、「それだと将来良くないよ」とか、「大人になったら困るよ」とか言われると、やっぱりこの泣いてる状況よりも、将来のことに目が行っちゃって、どうしても行ってほしいみたいな気持ちも出てきちゃっていたんですけど、

やっぱり前にお話ししたみたいな、自分の子供の頃のことを思い出すようになったのがきっかけかもしれないですね。

その時にどうして欲しかったかを考えた時に、自分は学校に行きたくなかったけど親に言えなくて無理やり仕方なく休まず行ってて。

その時に自分がちょっとでも不安なことはないかとか、抱きしめてもらったりとか、受け止めてもらえるようなことがあれば、本音が言えたかなとか、そういうことを考え出しだしてからですかね。

そこからちょっと変わった気がします。

学校行きたくないって言うのって、多分勇気がいると思うんですけど、子供が自分に言ってくれた時は、良かったなっていうのは思ったので、勇気がいること言ってくれたなら、受け止めたいなっていうのもありました。

勇気を出して言ってくれた言葉に対して、「そんなこと言ってたら将来生きていけない」とか、そういう言葉を自分が子供の立場で言われたらどう思うかって考えたら、やっぱり、「悲しい」しかないので。

「学校に行きたくないって言う」ことだけで不安でいっぱいなところに、さらに追い打ちで上から不安を塗り付けるみたいなことを、どうしてもしちゃうんですけど、子供の立場になって考えてみたらそれは辛いなと思って。

でもこんな風に思えるようになるまでにはものすごい時間がかかったなっていうのも、今思い出しました。

どんな風に成長してほしい?

中里:
ありがとうございます。
最後2つほど質問なんですけれども、みっちーさんがS君に対してどんな風に成長してほしいなとか、どんな大人になってほしいなとかってありますか?

みっちーさん:
これがないんですけど、なんかないのもどうなんだろうって思って。

昔は多分もっとすごいあって、ずっと自分みたいになってほしくないと思って子育てをしてたから、その辺りもね、自分と同じ人間じゃないんだから、私みたいにならないようになんて思って子育てするのは、変だなって思い出してからは、こだわりもなく、どんな風に成長してほしいっていうのもあんまりないです。

唯一、人に頼ったり頼られたりというか、人に頼って生きていってほしいかな。私でも何でも、ほんと数少ない人とかでもいいので、人と関わりながら生きていってくれたらいいなと思いますね。

不登校のお子さんを持つ保護者さんに向けてメッセージ

中里:
ありがとうございます。じゃあ最後の質問なんですけれども、不登校のお子さんを持ってる保護者さんに向けてメッセージ、できればお子さんが今学校に行きたくないって言ったばかりで、ちょっと慌ててるお父様お母様に向けて何かアドバイスやメッセージがあれば、最後にいただければなと思うんですけれども。

みっちーさん:
メッセージ…「毎日お疲れ様です」っていうのは言いたいですね。

私もまだまだ不登校の子供の親でありますが、毎日お疲れ様ですというのは本当にお伝えしたいのと。

さっきも言いましたけど、やっぱりずっと思ってるのは、「子どもが学校に行きたくない」って言ってくれたっていうことだけは、自分の中でよかったと思って。

そういう、「言える存在」でいられたんだなっていうのは、そこだけは自分で褒められる部分です。皆さん、子供が勇気を出して伝えてくれたっていうことは、不安ですけど、誇っていい部分なのかなっていうのは思います。

あと最近BranchのDiscord内で、皆さんにお寿司とお茶のスタンプを配っていて。

皆さんめっちゃ頑張ってらっしゃるじゃないですか。
一時期、お寿司配り職人っていう名前に変えてお寿司とお茶を配ってたんですけど、不登校で子供が学校行きたくないって言い出した親御さんたちにも、そのスタンプ今お茶とお寿司を配ってあげたい気持ちでいっぱいです。みんな疲れてますからね。

あと、「1人じゃないですよ」っていう、その辺りもお伝えしたいかなっていうところですかね。

中里:
ありがとうございます。
そうですね、Branchのコミュニティを見てると、1人じゃないんだなっていうのはよく分かるんですけど、そういうコミュニティ、繋がりがないと、不登校のご家庭は割と孤立しやすいかなと思うので、本当に1人じゃないんだぞっていうのはすごい思っていて欲しいことですね。

今回みっちーさんにご質問させていただきました。みっちーさんありがとうございました。

みっちーさん:
はい、ありがとうございました。

Podcastでも配信中

本記事の内容は、BranchのPodcast『不登校・発達障害ラジオ Tree House』内でもご視聴いただけます。

他にも様々な不登校にまつわるリアルな体験談がございますので、ぜひご視聴ください。

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ライター/著者プロフイール

Branchのライター。早稲田大学卒業後、都内ベンチャーキャピタルの企業に勤務しながら、2024年の4月からBranchの運営のお手伝いさせていただくことになりました。子どもたちの「好きなこと」を見つけられるお手伝いや、保護者の方と子どもたちの、心休まる居場所作りをしていきたいです!

会社概要

Company

社名

株式会社WOODY


代表取締役

中里祐次


設立

2013年11月11日


所在地

〒150-0034 東京都渋谷区代官山町9-10 Sodacco 2T02


株主

㈱サイバーエージェント、㈱ウィザス、ANRI、レジェンドパートナーズ、笠原健治氏、乙武洋匡氏、佐藤裕介氏、古川健介氏、中里、その他エンジェル投資家


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Company

社名

株式会社WOODY


代表取締役

中里祐次


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2013年11月11日


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株主

㈱サイバーエージェント、㈱ウィザス、ANRI、レジェンドパートナーズ、笠原健治氏、乙武洋匡氏、佐藤裕介氏、古川健介氏、中里、その他エンジェル投資家


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