僕は幼いころ数学が特に好きで、日常的に数学に関する色々なことを考えて、大人にも様々な質問をしていました。ただ時には両親や先生も答えられない疑問にぶつかることもあり、そういうものは解決を見ないまま悩みの種として残ってしまっていました。しかし中学生になったある日、親の知人であるという大学教授の方にお会いする機会があり、そこでそれまで残っていた疑問や、自分で考えたことなどを話すことができました。そこでもちろん多くの疑問に解決や指針が与えられたのですが、それ以上に、自分が好きな分野でずっと先を歩いている大人と対話することは自分にとって大きな刺激になりましたし、何か単純に嬉しいことでした。それは今でも心に残っていて、その後もどこか頭の奥で学問に対する動機付けの一端を与えてきたような気もします。
Branchのやろうとしていることは、まさにそういう経験を子供達に与えることなのだと思います。そして僕にとっては、今度は自分があの時のあの大人の側に立って、続いてくる後輩の心に何かを残すチャンスでもあります。自分も誰かにとっての「子供の頃に出会えて良かった大人たち」の一人となれれば大変な幸いです。

ピアノ、看板職人

特に幼いころは、出会った人の一人、読んだ本の一冊、言われた言葉の一言が、意識されてか無意識にか、その後の人生に予想もつかない重大な影響を与えていることがあると思います。僕もお子さんに何か一つでも多くそういう刺激やきっかけになるものを残せたらいいなと願っています。その場でお話しすることもそうですし、能力を持て余しているような子にはそれを伸ばす術(学ぶとよいこと、読むとよい本など)を紹介します。何よりもその子の持つ良いところを、よく褒めてあげたいと思います。